日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT40] 空中からの地球計測とモニタリング

2023年5月25日(木) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (18) (オンラインポスター)

コンビーナ:小山 崇夫(東京大学地震研究所)、楠本 成寿(京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設)、光畑 裕司(独立行政法人 産業技術総合研究所)、大熊 茂雄(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/24 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[STT40-P04] 日本空中磁気データベースを利用した海域火山における磁化構造解析の可能性

*伊藤 良介1宇津木 充2 (1.京都大学理学研究科、2.京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設火山研究センター)

キーワード:磁気インバージョン解析、日本空中磁気データベース

産業技術総合研究所・地質調査総合センターは、1970~90年代に地質調査所及びNEDOが収集した空中磁気探査データを編集・統合して、2005年に「日本空中磁気データベース」を出版した。このデータベースは観測された磁気異常データと、それにより求められた全国の磁気異常図の2つを含んでおり、日本列島及びその周辺の海域における磁気異常分布を網羅している。これを求める際には等価ソース解析の手法を用いた高度リダクションが適用され、地表からの高度1,500mの面を平滑化して設定された仮想観測面上での磁気異常分布が、緯度経度とも0.1分ごとの格子点上で求められている。本データベースが日本列島を含む広い範囲にわたる磁気異常分布を収録している事から、それに含まれる長波長の磁気異常分布が、地下の大規模な構造を反映していることが予想される。
 2010年代以降、西ノ島や福徳岡の場といった日本近海の海域火山において噴火が発生する事例が見られている。このような海域火山における観測には多くの準備と費用を要するため、短期間で調査を行うことが特に難しいと考えられる。そこで、日本空中磁気データベースの広域データを使用して、対象とする海域火山の構造や、地下の大規模構造を把握することは、噴火危険性を評価し調査の優先順位を決定するうえで有用であると思われる。本研究では、鬼界カルデラの上空における空中磁気データベースの磁気異常データを用い3次元磁化構造解析を行った。この結果から、前述の海域火山で行う調査に対し、空中磁気データベースを用いた事前解析でどのような知見が得られるかについて検討を行った。本発表ではその結果をご報告する。