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[SVC31-P08] 伊豆大島におけるドローンを用いた熱赤外観測2
キーワード:ドローン、熱赤外観測、伊豆大島
伊豆大島火山では、噴火履歴などの研究(Nakamura, 1964や遠藤他, 1988)から、36〜38年毎に107tonオーダーの噴火が報告されており、前回の噴火活動(1986〜1990年)からすでに30年以上が経過し、遠くない将来に噴火の発生が予想されている。気象研究所では、長期の地殻変動観測により、マグマ蓄積を示唆する山体膨張を捉えてきたが、前回の噴火時は、地殻変動は数年前から停滞しており(渡辺, 1998)、熱や火山ガスに関する前兆現象が検出されたとの報告(鍵山・辻, 1987や平林ほか, 1988)もあることから、現5か年計画(令和元〜5年度)の「火山活動の監視・予測に関する研究」において、ドローンを用いた空中熱赤外観測に取り組んでいる。本発表では、伊豆大島における令和4年度の結果を中心に報告する。
観測に使用したドローンと熱カメラは各々DJI Matrice300RTK、DJI Zenmuse XT2で、ドローンの飛行操作および撮影はすべて業者委託である。令和4年度は、三原山山頂火口を含む約1700m2の領域におけるオルゾモザイク画像作成を作成するために、地上分解能50cm/pixel程度、進行方向のラップ率を90%、コース間のサイドラップ率を85%として1晩で実施し、別日には、同じ条件において、わずかながら熱活動が確認されている外輪山上空の観測と、温度観測値の精度を担保するための複数高度における温度既知点観測を実施した。また、撮影高度における気温と湿度を測定するため、ドローンには携帯型気象計を搭載して観測を実施した。
昨年度までの観測では、オルソモザイク作成対象領域の観測中に一部ルートにおいて電波障害が要因と考えられる明らかな位置情報(高度)エラーが発生した。この対策として、令和4年度の観測では、リアルキネマティック(RTK)機能を使用した飛行を必須とし、ドローンのバッテリー交換時にその都度Exif情報の健全性について確認を行うことでデータの品質を担保した。また、RTK機能を使用するため地上基地局は離発着場所に設置し、近傍にいる操縦者から常に飛行中のドローンを視認できるように自動航行ルートを設定することで、よりロバストな観測設計とした。
実際の観測は令和5年2月上旬に実施したため、得られたデータは現在解析中である。今後は、得られた温度観測値の補正手法などについて精査・検討をおこない、放熱量を計算し、観測方法を含めたドローンによる熱観測について火山活動評価への有効性について検討する。
観測に使用したドローンと熱カメラは各々DJI Matrice300RTK、DJI Zenmuse XT2で、ドローンの飛行操作および撮影はすべて業者委託である。令和4年度は、三原山山頂火口を含む約1700m2の領域におけるオルゾモザイク画像作成を作成するために、地上分解能50cm/pixel程度、進行方向のラップ率を90%、コース間のサイドラップ率を85%として1晩で実施し、別日には、同じ条件において、わずかながら熱活動が確認されている外輪山上空の観測と、温度観測値の精度を担保するための複数高度における温度既知点観測を実施した。また、撮影高度における気温と湿度を測定するため、ドローンには携帯型気象計を搭載して観測を実施した。
昨年度までの観測では、オルソモザイク作成対象領域の観測中に一部ルートにおいて電波障害が要因と考えられる明らかな位置情報(高度)エラーが発生した。この対策として、令和4年度の観測では、リアルキネマティック(RTK)機能を使用した飛行を必須とし、ドローンのバッテリー交換時にその都度Exif情報の健全性について確認を行うことでデータの品質を担保した。また、RTK機能を使用するため地上基地局は離発着場所に設置し、近傍にいる操縦者から常に飛行中のドローンを視認できるように自動航行ルートを設定することで、よりロバストな観測設計とした。
実際の観測は令和5年2月上旬に実施したため、得られたデータは現在解析中である。今後は、得られた温度観測値の補正手法などについて精査・検討をおこない、放熱量を計算し、観測方法を含めたドローンによる熱観測について火山活動評価への有効性について検討する。