13:45 〜 15:15
[SVC33-P09] 繰り返しエアガン発振観測における振源波形変化とその除去の検証
キーワード:地下構造変化、姶良カルデラ、人工震源、火山監視
本講演では制御地震学的火山モニタリング手法の検討を目的とした2回目の基礎実験の経過について報告する。
火山活動に伴う地下構造変化を検出するための制御振源地震学的手法では、長期にわたり定常的な振源波形を得ることが重要である。そのためには定常的な振源波形を得るために安定な人工振源装置の採用に加えて発振条件の制御が必要である。
現在、姶良カルデラ地域で行われている長期連続反射法基礎実験の取り組みでは、定常的な振源波形の得られる震源装置としてエアガン装置をもちいた実験を農業用貯水池、住吉池で発振作業を行った。農業用貯水池でエアガンの繰り返し発振実験を行ったLiu et al.(2021)は貯水池の水位変化による振源波形変化を報告しており、火山のモニタリングを長期にわたって行う場合を想定すると、貯水池の水位変化などの制御不可能な条件の変化の影響とその除去はあらかじめ考慮に入れておくべきものである。
このほど令和4年度に同じ場所で再び同じ観測形態による実験を実施したので、その実験内容と結果について速報する。
令和4年度の実験は一回のラウンドに必要な発振回数の検証と振源装置周辺の条件の変化に伴う振源波形変化の観測を目的として行った。令和4年度の実験では令和2年度の実験で発振効率がもっとも高くかつ周波数特性がより平坦な1050 cuiエアガンに絞って発振作業を行った。発振点位置および観測点配置は筒井他(京大防災研年報2021)と同一であった。
令和4年度の実験では2つの発振条件で繰り返し発振を実施して記録を取得した。エアガン動作圧を等しく2000 psi (13.6MPa)として、(1)エアガン深度を先の実験と同一にしたもの、(2)エアガンから水底までの距離を先の実験と同一にしたものである。(1)の実験では575回の発振を実施し、(2)の実験では317回の発振を行い十分な品質の記録を得た。
本講演ではこの2者の波形変化の報告と、遠方で得られた観測波形に対して振源近傍観測波形によるデコンボリューション処理を実施し、その振源波形除去効果について報告する。
なお、本研究は原子力規制庁令和4年度原子力施設等防災対策費等委託費で行われた。
火山活動に伴う地下構造変化を検出するための制御振源地震学的手法では、長期にわたり定常的な振源波形を得ることが重要である。そのためには定常的な振源波形を得るために安定な人工振源装置の採用に加えて発振条件の制御が必要である。
現在、姶良カルデラ地域で行われている長期連続反射法基礎実験の取り組みでは、定常的な振源波形の得られる震源装置としてエアガン装置をもちいた実験を農業用貯水池、住吉池で発振作業を行った。農業用貯水池でエアガンの繰り返し発振実験を行ったLiu et al.(2021)は貯水池の水位変化による振源波形変化を報告しており、火山のモニタリングを長期にわたって行う場合を想定すると、貯水池の水位変化などの制御不可能な条件の変化の影響とその除去はあらかじめ考慮に入れておくべきものである。
このほど令和4年度に同じ場所で再び同じ観測形態による実験を実施したので、その実験内容と結果について速報する。
令和4年度の実験は一回のラウンドに必要な発振回数の検証と振源装置周辺の条件の変化に伴う振源波形変化の観測を目的として行った。令和4年度の実験では令和2年度の実験で発振効率がもっとも高くかつ周波数特性がより平坦な1050 cuiエアガンに絞って発振作業を行った。発振点位置および観測点配置は筒井他(京大防災研年報2021)と同一であった。
令和4年度の実験では2つの発振条件で繰り返し発振を実施して記録を取得した。エアガン動作圧を等しく2000 psi (13.6MPa)として、(1)エアガン深度を先の実験と同一にしたもの、(2)エアガンから水底までの距離を先の実験と同一にしたものである。(1)の実験では575回の発振を実施し、(2)の実験では317回の発振を行い十分な品質の記録を得た。
本講演ではこの2者の波形変化の報告と、遠方で得られた観測波形に対して振源近傍観測波形によるデコンボリューション処理を実施し、その振源波形除去効果について報告する。
なお、本研究は原子力規制庁令和4年度原子力施設等防災対策費等委託費で行われた。