09:45 〜 10:00
[SVC34-04] 大規模火山噴火時に励起される大気音響共鳴地球振動モードから推定する噴煙高度
キーワード:大気と固体地球の音響共鳴振動、2022 トンガ海底火山噴火、1991 ピナツボ火山噴火、励起モードの振幅比、噴煙高度、噴火エネルギー
2022年トンガ火山の爆発的噴火直後に、トンガから特定の周期(約230, 270秒)の長周期レイリー波が発生し、世界中で観測された。この二つの周期は1991年ピナツボ火山噴火の直後に観測された周期長周期レイリー波(または地球自由振動モード)と同一である。Watada and Kanamori (2010)は特定周期の地動を火山噴火により励起された大気長周期音波と固体地球の共鳴現象として説明した。今回の2022年トンガ火山噴火でも同様の共鳴現象が発生したと考えられる。
トンガ火山噴火とピナツボ火山噴火では、二つのモードの周期は同じだが振幅比が異なっていた。ピナツボ噴火では230秒のモード振幅が卓越したのに対し、トンガ噴火では270秒が卓越している。この振幅比パタンは、どちらの火山噴火でも全世界で同一であった。
地球の大気—固体結合系の自由振動モードを用いて、大気中に爆発的噴火を模した波源を様々な高度に置いて、長周期地震動の計算したところ、振幅比は波源の高度により大きく変わることが判明した。その励起メカニズムは以下の通りである。270秒の大気基本音波モードと230秒の一次倍音の音波モードの励起効率を比較すると、地表付近(~10キロ)の波源では230秒モードが卓越して励起され、高度30キロを超えると270秒モードが卓越して励起されるためである。観測された二つのモード振幅比、2~6を再現するには励起源の高度40~50キロが必要である。これはCarr et al. 2022による気象衛星画像にから決定された最高噴煙高度50キロ超からも裏付けられる。また、観測された振幅を説明する等方的モーメントから換算された大気エネルギー注入量は9 x 1016 Jであった。
トンガ火山噴火とピナツボ火山噴火では、二つのモードの周期は同じだが振幅比が異なっていた。ピナツボ噴火では230秒のモード振幅が卓越したのに対し、トンガ噴火では270秒が卓越している。この振幅比パタンは、どちらの火山噴火でも全世界で同一であった。
地球の大気—固体結合系の自由振動モードを用いて、大気中に爆発的噴火を模した波源を様々な高度に置いて、長周期地震動の計算したところ、振幅比は波源の高度により大きく変わることが判明した。その励起メカニズムは以下の通りである。270秒の大気基本音波モードと230秒の一次倍音の音波モードの励起効率を比較すると、地表付近(~10キロ)の波源では230秒モードが卓越して励起され、高度30キロを超えると270秒モードが卓越して励起されるためである。観測された二つのモード振幅比、2~6を再現するには励起源の高度40~50キロが必要である。これはCarr et al. 2022による気象衛星画像にから決定された最高噴煙高度50キロ超からも裏付けられる。また、観測された振幅を説明する等方的モーメントから換算された大気エネルギー注入量は9 x 1016 Jであった。