日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

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[U-08] CO環境の生命惑星化学

2023年5月22日(月) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (1) (オンラインポスター)

コンビーナ:上野 雄一郎(東京工業大学大学院地球惑星科学専攻)、北台 紀夫(海洋研究開発機構)、鈴木 志野(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)、尾崎 和海(東京工業大学)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[U08-P06] 前駆代謝の起源の再現を目指したジオケミカルフローリアクターの開発

*山本 正浩1,2、松本 一希3北台 紀夫1 (1.海洋研究開発機構、2.横浜市立大学、3.株式会社DFC)

キーワード:COワールド、フローリアクター、深海熱水噴出孔

初期の地球に豊富に存在したとされる一酸化炭素(CO)は初期生命の誕生に必要な様々な有機化合物の供給源となったと考えられる。一方で、前生物的な代謝経路が発生し進化するためには、これらCO由来の有機化合物はどこか特定の微小環境において特異的かつ連続的な化学反応が継続的に進行する必要がある。我々は深海のアルカリ性熱水噴出孔がその自然環境場の候補の一つであると考え、この環境を実験室で再現するためのフローリアクターの開発を試みた。すなわち、アルカリ性熱水と中性〜弱酸性海水が混合され熱水と海水を境界する鉱物が形成されることで両方の流体の間で温度・pH ・酸化還元電位・化合物等の非平衡状態が維持されるフローリアクターである。CO worldで生産される有機化合物をこのリアクターに投入することで、電気化学・水熱・鉱物触媒・化学浸透などの様々な反応が鉱物の壁の内側や表面の微小空間内で連続的に起きると期待される。CO worldと地球化学的に特異的な微小環境とが組み合わさることで、選択性の高い堅牢な前駆代謝の雛形の進化を観察できる。本発表では、開発されたリアクターの基本的な概念と設計を説明し、実際に製作された装置の試運転の結果について報告する。