日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-11] 気圏・水圏・地圏にまたがる複合災害

2023年5月22日(月) 13:45 〜 15:15 展示場特設会場 (1) (幕張メッセ国際展示場)

コンビーナ:佐山 敬洋(京都大学)、竹村 貴人(日本大学文理学部地球科学科)、宮地 良典(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、石峯 康浩(山梨県富士山科学研究所)、座長:佐山 敬洋(京都大学)、竹村 貴人(日本大学文理学部地球科学科)、宮地 良典(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、石峯 康浩(山梨県富士山科学研究所)

14:15 〜 14:30

[U11-03] 複合災害および巨大災害時における災害連鎖現象の理解とその対策

★招待講演

*廣井 悠1 (1.東京大学)

キーワード:災害連鎖、機械学習

巨大災害や複合災害が発生した場合、ある事象が別の事象を引き起こし、多方面に影響を与える「災害連鎖現象」が発生することが知られている。災害連鎖の研究は、将来起こりうる災害を事前に、あるいはリアルタイムに把握するために有効な手段です。そこで、本研究では、新聞記事等のデータベースから災害の連鎖を機械的に作成する方法を開発した。ここでは因果関係のある文章を抽出するために、手がかりとなるフレーズと因果関係のある連続表現の両方を用いて抽出した因果関係のある文章の候補に対する機械学習による判別モデルを作成する。機械学習にはサポートベクターマシンを用い、因果関係の有無が注釈された文と文の構文・意味的特徴の組み合わせをコンピュータに学習させ、因果関係の有無が不明な文の構文・意味的特徴から因果関係の有無を推定する。本研究では、災害記事から一定の精度で因果関係のある文章を抽出できることがわかった。またこれを用いて、文章をノードとリンクとした災害因果ネットワークを作成することも可能であった。阪神・淡路大震災と東日本大震災の半年間に掲載された新聞記事から抽出した災害時系列ネットワークにおいて、本手法により、従来の災害時系列ネットワークでは得られなかった事象や因果関係の知見を抽出することができる。