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[AAS07-02] サンプリングダウンスケーリングの開発:日本・九州における夏季降水量への適用
我々は領域実験のモデル不確実性を評価する為に、低計算コストのダウンスケーリング手法である「Super-sampling downscaling」を開発しました。全球実験のモデル不確実性はCMIP5などのマルチモデル実験から評価されていますが、全ての全球モデル結果に力学的ダウンスケーリングを適用するのは、計算コストが高い為に現実的には困難です。Super-Sampling downscalingでは、単一の全球モデルによって既に計算された大規模な力学的ダウンスケーリングデータセット「d4PDF」からサンプリングすることで、CMIP5モデルのダウンスケーリングデータセットを生成しました。サンプリングはd4PDFとCMIP5の両方の全球出力を学習して得られた自己組織化写像(SOM)によって分類された、対象の季節・領域の気象パターンから確率分布に基づいて実行しました。我々は、Super-sampling downscalingを日本の九州の夏季降水に適用しました。CMIP5 20世紀再現気候のダウンスケーリングをd4PDF 過去実験から、CMIP5 RCM8.5シナリオ気候のダウンスケーリングをd4PDF 4K実験から、それぞれサンプリングしCMIP5のダウンスケーリングデータを作成しました。その結果、多くのCMIP5モデルが降水量気候値の将来変化において東九州で減少、西九州では増加という傾向を示す事が示唆されました。(Figure 1.)