日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS08] 気象学一般

2024年5月27日(月) 15:30 〜 16:45 展示場特設会場 (1) (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:那須野 智江(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、久保田 尚之(北海道大学)、Sugimoto Shiori(JAMSTEC Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)、清水 慎吾(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、座長:清水 慎吾(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、Shiori Sugimoto(JAMSTEC Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)

15:30 〜 15:45

[AAS08-06] WRFを用いた土砂災害の発生予測可能性

★招待講演

*柴川 大雅1、因幡 直希1、吉田 翔1、高田 望1 (1.株式会社気象工学研究所)

キーワード:WRF、土砂災害、タンクモデル、線状降水帯、早期警戒、防災

令和5(2023)年6月1日~3日にかけて、梅雨前線と台風2号の影響により、中部、近畿、四国地方を中心に大雨となった。特に高知県、和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、静岡県では線状降水帯が発生した[1]。その中でも、和歌山県では土砂災害が発生し、みかん等の農林水産業の被害額が約16.7億円に上った[2]。

土砂災害の発生予測情報として、気象庁が2時間先までの予測を用いた土砂災害警戒情報を提供している。WRFを用いて土砂災害の発生予測ができれば、2時間先より早い段階から予測が可能になり、市役所等の対応に時間的な余裕ができることが期待できる。
本研究では、令和5年6月2日に和歌山県で土砂災害をもたらした豪雨事例・土砂災害事例を対象として、WRFを用いた予測を土砂災害の発生予測に活用し、発生予測可能性を検討した。

WRFの初期値・境界値には気象庁MSM及び米国FNLを用いて計算を行った。WRFによって計算された降水量を用いて、土壌雨量指数の計算を行い、大雨特別警報(土砂災害)、大雨警報(土砂災害)、大雨注意報(土砂災害)の基準値と比較することで、土砂災害の発生予測が可能であるかを検討した。また、MSMの降水量を基に算出した土壌雨量指数との比較も行い、本研究の有効性を示した。

[1] 気象庁, https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2023/20230623/pdf/2023_1_wakayama_1.pdf 2023/06/27(閲覧)
[2] 読売新聞オンライン, https://www.yomiuri.co.jp/local/wakayama/news/20230608-OYTNT50034/ 2023/06/26(閲覧)