日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS08] 気象学一般

2024年5月28日(火) 15:30 〜 16:15 展示場特設会場 (1) (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:那須野 智江(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、久保田 尚之(北海道大学)、Sugimoto Shiori(JAMSTEC Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)、清水 慎吾(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、座長:那須野 智江(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、清水 慎吾(国立研究開発法人防災科学技術研究所)

15:30 〜 15:45

[AAS08-11] 豪雨予測における海洋予測の効果

★招待講演

*馬場 雄也1 (1.海洋研究開発機構)

キーワード:豪雨予測、海洋予測、大気海洋相互作用

日本における豪雨の頻度と強度は温暖化の進行とともに増してきており、豪雨による風水害被害を避けるためにも、より早期の豪雨予測が求められている。日本では夏季に豪雨が発生することが多いが、このときの気圧配置は南高北低であり、この気圧配置に従って南西から水蒸気が流れ込む。従って、より早期の豪雨予測を実現させるためには、この気圧配置の発達を予測することが重要である。気圧配置は大気だけの影響ではなく、海洋の影響によっても決まるため、海洋予測が必要であると考えられる。本研究では夏季のいくつかの事例について大気モデル、および結合モデルを用いて豪雨の再予測実験を行い、豪雨予測における海洋予測の影響について検証を行った。結果、全ての事例において、結合モデルの方が西日本における総降水量をより正確に予測できることが明らかになった。結合モデルでは北西太平洋における大気海洋相互作用を妥当に表現できるため、太平洋高気圧の振る舞いをある程度予測できるが、大気モデルでは大気の振る舞いが海面水温によって強制される効果しか考慮されないため、予測することができない。予測に用いる数値モデルは複雑に、かつ計算コストが増加するデメリットはあるが、海洋予測は豪雨の早期予測に有効であると考えられる。