日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS08] 気象学一般

2024年5月28日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:那須野 智江(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、久保田 尚之(北海道大学)、Sugimoto Shiori(JAMSTEC Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)、清水 慎吾(国立研究開発法人防災科学技術研究所)

17:15 〜 18:45

[AAS08-P10] 台風の進行経路と気圧・海面水温分布との関係

*泉 乃仁1井上 誠2 (1.秋田県立大学大学院、2.秋田県立大学)

キーワード:台風、北太平洋高気圧、統計解析、海面水温

通常、夏から秋にかけて日本に上陸する台風は、熱帯地方では北西方向に進み、その後沖縄周辺で転向し、日本列島付近では北東方向へと放物線状を描く形で進むことが報告されている。その一方で、通常とは異なる経路をたどる台風もみられ、そのような台風の経路を高精度で予測することは難しい。そこで、本研究では台風の予報精度の向上に繋げるため、複雑な動きをする台風のメカニズムを明らかにすることを目的とする。まず、気象庁ウェブページで公開されている「台風の統計資料」を用いて、1987~2023年の37年間から台風の発生数が多かった上位8年を選出し、台風多発生年と定義した。次に、NCEP/NCAR再解析データを用いて、台風多発生年における等圧面高度場の特徴を調べた。その結果、日本東部の太平洋側では有意な低圧偏差がみられ、オホーツク海北東部では有意な高圧偏差がみられた。このことから、台風多発生年では平年時と比較して北太平洋高気圧が日本本土に大きく張り出さず、台風が上陸しやすい環境であったと考えられる。本発表では、気圧分布に加え、海面水温の解析結果も示す。