[A-CC26] 雪氷学

[ACC26-P04] 高頻度降積雪観測による積雪過程の観察と新積雪の圧密計算の比較

*田邊 章洋¹ (1.防災科学技術研究所)

キーワード：降雪、積雪

積雪は降雪粒子が降り積もることで形成されるため，どのように降り，それが積もるかという降積雪過程は，積雪由来の雪氷現象の基本事項である．粒子的に振舞う降雪粒子は新雪として雪面上に積もり，積雪荷重による圧密や変態過程を経て連続体的に思われる積雪になる．このような新積雪が積雪になる過程を理解し，モデル化するためには新積雪そのものの観測が不可欠である．
本研究では，降雪粒子が積雪となるまでの過程を理解するために，複数の降雪板を用いた新積雪の観測を行い，圧密過程を観察した．積雪深及び新雪密度を1時間又は4時間経過ごとに計測した．これらの積算水当量が近しいことを確認したのち，先行研究（遠藤，1993）で提案された粘性圧縮理論を用いて，4時間経過時点の積雪深を算出した．理論値と観測値は概ね一致したが，1時間ごとに計測した新積雪の密度が小さいケースにおいては，観測値の積雪深が理論値よりも大きくなった．発表ではより詳細な計算結果を紹介する．

遠藤八十一（199）降雪強度による乾雪表層雪崩の発生予測． 雪氷，55(2) 113–120.