日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG36] 衛星による地球環境観測

2024年5月27日(月) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:沖 理子(宇宙航空研究開発機構)、本多 嘉明(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、松永 恒雄(国立環境研究所地球環境研究センター/衛星観測センター)、高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)

17:15 〜 18:45

[ACG36-P14] 2015年1月17日に総観規模擾乱に伴って南極氷床上に形成した降水域のCloudSat/CPRとCALIPSO/CALIOPによる観測

*平沢 尚彦1,2、山田 恭平3、矢吹 正教4 (1.国立極地研究所、2.総合研究大学院大学、3.国立環境研究所、4.京都大学)

キーワード:南極、降水、衛星観測、数値モデリング

南極域の広域の降水を把握するために人工衛星観測が有効である。地球表面からの自然放射を観測するパッシブセンサーによる雲検出により降水システムの水平規模や分布を隈なく得られる。レーダーやライダーを用いたアクティブセンサーからは、衛星軌道に沿った限られた領域ではあるが、雲や降水粒子の鉛直分布が得られ、その量を推定できる(Palerme et al., 2014, Listowski et al., 2019 など)。しかしながら、衛星データには様々な限界があり、降水現象の全てを把握することは出来ない。本研究の目的は、地上観測、数値モデリング、気候再解析データ、及び衛星データにより、南極域の降水にする知見を得ることである。本発表は、発達した総観規模擾乱(Yamada and Hirasawa, 2018)に伴って南極沿岸域からが内陸域へと降水域が時々刻々と広がった一つの事例について、CloudSat/CPRとCALIPSO/CALIOPが捉えた降水の特徴を示す。また、それに基づいて各センサーの南極域の降水観測の限界についても議論したい。本研究は南極地域観測事業及びJAXA-EORA3の支援を受けている。

1. Palerme, C. et al., 2014, The Cryos., 8(4), 1577–1587. https://doi.org/10.5194/tc-8-1577-2014
2. Listowski, C. et al., 2019, ACP, 19(10), 6771–6808. https://doi.org/10.5194/acp-19-6771-2019
3. Yamada, K. and N. Hirasawa, 2018, JGR: Atmos., 123(24), 13,643-13,657. https://doi.org/10.1029/2018JD028877