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[ACG37-11] 気候変動下で北海道天然林の炭素・水循環はどう変わる?動的植生モデルによる予測
キーワード:針広混交林、動的植生モデル、個体ベースモデル、気候変動、北海道
現在の気候変動の傾向により、日本では台風の発生頻度と強度の増加、及び降雨量の増加が見込まれる。これにより、森林の倒木や地滑りが頻繁に起こることが懸念される。このような攪乱が起きた地域では、水源の保全能力の減少や土砂の流出が問題となり、そのため植生の回復を予測し管理する技術の必要性が高まっている。我々は、個体ベースの動的植生モデルSEIBを拡張する事で、これらの社会的要請に応える北海道森林動態モデルの開発を進めている。
開発された北海道モデルは、標高と地形の勾配に基づいた針葉樹と広葉樹の相対的な被覆率の違い、および大規模な風害後の森林の回復を適切に再現できることが確認されている(Satoら2023, Ecoll Res)。本発表では、基本モデルに実際に近い枯死プロセスと定着プロセスを組み込み、森林の構造と樹種組成が風害の規模と頻度にどのように反応するかの分析結果を提示する。さらに、風害後の森林更新における様々な実際的な定着条件を提供し、これらが森林動態にどのような影響を与えるかを分析する。そして、これらの森林動態が炭素循環と水循環にどのような影響を及ぼすかについての予測を行う。
開発された北海道モデルは、標高と地形の勾配に基づいた針葉樹と広葉樹の相対的な被覆率の違い、および大規模な風害後の森林の回復を適切に再現できることが確認されている(Satoら2023, Ecoll Res)。本発表では、基本モデルに実際に近い枯死プロセスと定着プロセスを組み込み、森林の構造と樹種組成が風害の規模と頻度にどのように反応するかの分析結果を提示する。さらに、風害後の森林更新における様々な実際的な定着条件を提供し、これらが森林動態にどのような影響を与えるかを分析する。そして、これらの森林動態が炭素循環と水循環にどのような影響を及ぼすかについての予測を行う。