[A-CG40] 海洋と大気の波動・渦・循環の力学

[ACG40-P08] 順圧チャネルモデルの海底地形への依存性

*松田 拓朗¹、三寺 史夫² (1.北海道大学地球環境科学研究院、2.北海道大学低温科学研究所)

キーワード：南極周極流、海底地形、非線形応答

南極周極流は南極大陸を周回する海流で、太平洋、大西洋、インド洋を直接接続するため、海盆間のトレーサー輸送を担っている。20世紀中盤以降、地球温暖化やオゾン層の破壊に伴い南半球の偏西風が強化されていることが知られており、南極周極流がこの変化に対してどのように応答するか理解することは精度の高い気候予測を行う上で重要となる。南極周極流を理想化した「チャネルモデル」の数値実験から南極周極流の東西流量は偏西風の変化に対して鈍感であると考えられてきた。これは風応力に対して海底地形の形状応力が非線形的に応答するからである。しかし、これまでの理想モデル研究で採用されてきた海底地形は主に背の高い海嶺であり、海底地形の形状に対する依存性は十分に議論されていなかった。そこで本研究は順圧チャネルモデルの海底地形の形状・高さ・水平スケールを変えることで、風応力に対する東西流量の応答がどのように変わるか比較した。その結果、geostrophic contourの形状によっていくつかの応答パターンに分類できることが明らかになった。