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[ACG43-11] 日本沿岸域における河川水の遠隔輸送過程
キーワード:河川水、沿岸域、海洋モデル、粒子追跡
河川は、陸域から海洋へと淡水、物質を輸送し、海洋の物理場、環境場に影響を与える。しかし、河川水が海洋へと流出した後、どのように沿岸域から外洋域へと広がるのか、その実態はよくわかっていない。本研究では、日本海から太平洋へと海水が輸送される津軽海峡周辺海域に着目し、日本周辺海域を対象とした高解像度海洋モデルを用いた粒子追跡解析により、河川水の輸送過程を調べた。津軽海峡周辺海域では、河川水の大部分は水深の浅い沿岸域に分布しており、沿岸域の海水の体積のうち1~5%を占めていた。本州の日本海側からの河川水は、津軽海峡を通過後、夏季には外洋域へと東へ流出する一方で、その他の季節には岸に沿って南へと輸送されるなど、津軽暖流の季節変動を反映していた。また、本州日本海側からの河川水は、太平洋側沿岸域の水の体積のうち0.1~0.5%を占めていた。