日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG43] 陸域から沿岸域における水・土砂動態

2024年5月28日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:浅野 友子(東京大学大学院農学生命科学研究科)、木田 新一郎(九州大学・応用力学研究所)、山崎 大(東京大学生産技術研究所)、有働 恵子(東北大学大学院工学研究科)

17:15 〜 18:45

[ACG43-P08] 河川群によって駆動されるプランクトンブルーム

*木田 新一郎1 (1.九州大学・応用力学研究所)

キーワード:河川プリューム、植物プランクトンブルーム

日本の沿岸域の多くには、複数の小規模な河川から淡水が流入する。これらの小規模河川は、一つ一つの流量は小さく、河口も狭いものの、積分すると中規模河川に匹敵する大きさとなる。河川群として沿岸域に流入する河川水は、海岸線に沿って連続した河川プリュームを形成し、密度フロントを形成していると考えられる。小規模河川は主に降水イベントによって駆動され、その流入は間欠的に発生する特徴がある。したがって沿岸域において小規模河川群がもたらす淡水の挙動や生態系の応答メカニズムは、古典的な河川プリュームとは大きく異なる可能性がある。
理想化された数値モデルを用いて、複数の小規模河川からの淡水流入に対する流れ場と生態系の応答を検証した。1日間のみ淡水流入が続く場合、海岸線に沿って穏やかな植物・動物プランクトンブルームが発生した。植物プランクトンのブルームは河口ではなく下流ほど強く応答する一方、動物プランクトンのブルームは河口に集中する傾向がみられた。単一河川や定常な河川流入がある場合と比べ、河川水に対するプランクトン応答の空間分布・速度・持続性に違いが生じることを示唆している。