日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG44] 黒潮大蛇行

2024年5月29日(水) 09:00 〜 10:15 106 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:西川 はつみ(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、平田 英隆(立正大学)、碓氷 典久(気象研究所)、日下 彰(国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産資源研究所 )、座長:西川 はつみ(東京大学 大気海洋研究所)、平田 英隆(立正大学)、碓氷 典久(気象研究所)、日下 彰(国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産資源研究所)

09:00 〜 09:15

[ACG44-01] フェリー搭載GNSSとSWOT衛星の併用による伊豆海嶺付近の短期黒潮海面高度変動のモニタリング

*市川 香1、野田 穣士朗1、油布 圭1、酒見 亮佑1 (1.九州大学応用力学研究所)

キーワード:黒潮、伊豆海嶺、フェリー搭載GNSS、SWOT海面高度計

長期間にわたって日本南岸の黒潮は大蛇行流路をとっているが,大蛇行の発生や消滅には,北太平洋の風応力や渦活動の変動とともに,顕著な海底地形である伊豆海嶺の役割が大きいと考えられている。このため,伊豆海嶺付近の黒潮短期変動のモニタリングは重要である。しかし,伊豆海嶺付近には適切な海面高度計の軌道がないため,短周期の黒潮変動は正確に把握できない。そこで本研究では,東京竹芝と八丈島を毎日往復するフェリー橘丸にGNSS受信機を設置して,黒潮による伊豆海嶺付近の海面高度変動の計測を開始した。いくつかの手法を試した結果,島の近傍を除けばPrecise Point Positioning (PPP)が適用でき,黒潮流軸の毎日の変動が検出可能であることが分かった。さらに,面的な海面高度分布の計測が可能なSWOT海面高度計のBeta pre-validated dataを用いてみたところ,フェリーの航路沿いの海面高度変動の空間的な広がりを間欠的に求めることができた。講演では,特徴的な短期流軸変動の事例について紹介する予定である。