17:15 〜 18:45
[ACG44-P02] 日本近海海洋長期再解析(FORA-JPN60)による過去60年の黒潮流路の再現
気候変動予測先端研究プログラム領域課題3では、過去60年程度の日本周辺域の高解像度海洋再解析データ(FORA-JPN60)の作成に取り組んでいる。FORA-JPN60は、JAMSTECと気象研究所が共同で作成した北西太平洋域の再解析データ(FORA-WNP30; Usui et al., 2017)の後継となる再解析データであり、気象庁で現業運用されている日本沿岸海況監視予測システム(Hirose et al., 2019)を用いた再解析実験により作成される。ベースとなる海洋モデルは、気象研究所共用海洋モデルMRI.COM v5.0であり、水平解像度2kmの日本周辺モデル(JPN)、北太平洋10kmモデル(NP)、および全球100kmモデル(GLB)から構成される。データ同化は、気象研究所海洋データ同化システム(MOVE)を用いて、北太平洋解析モデルに4次元変分法(Usui et al., 2015)、全球解析モデルに3次元変分法を適用する。データ同化により解析された水温・塩分場を用いて、Incremental Analysis Updates(IAU; Bloom et al. 1996)の方法により、JPN, NP, GLBの各モデルが修正される。
本発表では、FOR A-JPN60で再現された過去60年の黒潮流路の再現性と過去大蛇行事例の特徴について初期結果を報告する。再解析実験は1960年から2020年までの期間実施予定であり、発表時までには全期間の計算が完了する見込みである。これまでに得られた結果の初期解析から、観測データが比較的充実する1960年代半ば以降は、良好な黒潮流路の再現性が確認されている。
本発表では、FOR A-JPN60で再現された過去60年の黒潮流路の再現性と過去大蛇行事例の特徴について初期結果を報告する。再解析実験は1960年から2020年までの期間実施予定であり、発表時までには全期間の計算が完了する見込みである。これまでに得られた結果の初期解析から、観測データが比較的充実する1960年代半ば以降は、良好な黒潮流路の再現性が確認されている。