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[AOS14-P02] 最新の海面熱フラックスデータを用いた蒸発量の長期変化傾向の再評価
キーワード:乱流熱フラックス、10年規模変動、水循環、極端気象
最近数十年間で大気中の水蒸気量が増加していることが観測によって示されている。大気中の水蒸気の変化に最も大きく寄与するものの 1 つは海面からの蒸発である。蒸発量は大気と海洋の状態に依存して変化するため、蒸発量の変化が降水パターンに及ぼす影響をより深く理解するためには、季節と海盆ごとに蒸発の変動を明らかにすることが重要である。最近の研究において、既存の大気再解析データセットは蒸発の長期変化傾向を過大評価している可能性があることが指摘されている。この研究の目的は、最近更新された海面熱フラックスデータ (Japanese Ocean Flux Data Sets with Use of Remote-Sensing Observations Version 1.2) を使用して、蒸発の長期変化傾向を再評価することである。このデータセットを使用して、潜熱フラックスの長期変化傾向の地域特性を定量化するとともに、その要因について議論する。さらに、極端気象の10年規模変動への影響を理解する上で重要な役割を果たす可能性のある、短期的蒸発強化イベントの十年規模変動について議論する。