17:15 〜 18:45
[G01-P05] 地震動による地すべりの簡易型教育用実験装置「ユレオ2.0」の開発
キーワード:防災教育、地震、土砂災害、実験
本講演では,地震動による地すべりシミュレーション実験装置「ユレオ」をさらに簡易化した実験装置「ユレオ2.0」について紹介する。
2024年1月1日能登半島でマグニチュード7.6mの大きな地震が発生し,能登半島の一部では,震度6から7の揺れが発生した(気象庁震度データベース:地震名は令和6年能登半島地震)。この地震の結果,地震動や津波により大きな被害が発生した。能登半島は急傾斜の斜面が多く,地震動により土砂災害も多発した。このため,道路が寸断され,現地の救援に大きな支障を生じた。
日本は山間地が多く,地震時には土砂災害が多発することが多い。このような国で地震による土砂災害について学ぶことは,大きな意義がある。石田・藤岡(2005)は,児童の地域の自然の特色や災害に関する正しい知識や理解を深め,防災意識や行動力が高めるために,小学校の 「総合的な学習の時間」での授業展開を議論している。このように,地震による土砂災害を,学校教育で取り上げることは,防災上重要である。
地震動による地すべりシミュレーション実験装置「ユレオ」は,地震動による地すべりや崖崩れが発生する様子を,実感を持って理解させるための実験装置である(鈴木ほか,2009a,鈴木ほか,2009b,鈴木ほか,2009cなど)。
「ユレオ」は,2枚のベニヤ板と9本のバネからなり,2枚の板の間に9本のバネを接着し,上の板が自由に振動できるようにした装置である。この上に土で山を作り,手で揺することで地すべりや土砂災害を発生させる。
「ユレオ」は小学校理科の授業で用いられ,その効果が検証されるとともに(鈴木ほか,2009c),栗駒山麓ジオパークでは,2008年の岩手・宮城内陸地震の際に発生した。荒砥沢地すべりの説明に活用されている。
「ユレオ」は児童自身が手で揺れを発生させ,地すべりや崖崩れが起こる様子を観察できるため,地震による土砂災害を,実感をもって理解させる効果がある。
また,「ユレオ」は学校教育に普及させるために,安価で手軽で印象的な実験となるように意識して作成されている。
しかしながら,使用するバネはかなりの強度が必要で,ホームセンターによっては,販売されていない場合もある。
そこで,「ユレオ」をさらに簡易化した装置,「ユレオ2.0」を開発した。「ユレオ2.0」は「ユレオ」のバネ部分を丸棒2本で置き換えたものである。この棒は百円ショップで容易に入手でき,2本で220円とバネよりも安価である。
必要なものは,ベニヤ板(30cm×45cmくらい)1枚,丸い棒2本(長さ20cm以上),花の土(2Lほどを使用;野菜の土でもたぶん可能),紙コップあるいは茶漉し1個,スプレー(霧吹き)1個,カレンダーの紙(広告の紙でも良い;8cm×13cmくらい)軍手,バケツ,緑の粉(チョーク粉あるいはきなこ),水,新聞紙(1日分),実験台である。
このように,「ユレオ2.0」は「ユレオ」よりもさらに安価で手軽である。今後,学校やジオパークへの普及を図りたい。
なお,ポスター会場では,「ユレオ2.0」の演示実験を行う予定である。
2024年1月1日能登半島でマグニチュード7.6mの大きな地震が発生し,能登半島の一部では,震度6から7の揺れが発生した(気象庁震度データベース:地震名は令和6年能登半島地震)。この地震の結果,地震動や津波により大きな被害が発生した。能登半島は急傾斜の斜面が多く,地震動により土砂災害も多発した。このため,道路が寸断され,現地の救援に大きな支障を生じた。
日本は山間地が多く,地震時には土砂災害が多発することが多い。このような国で地震による土砂災害について学ぶことは,大きな意義がある。石田・藤岡(2005)は,児童の地域の自然の特色や災害に関する正しい知識や理解を深め,防災意識や行動力が高めるために,小学校の 「総合的な学習の時間」での授業展開を議論している。このように,地震による土砂災害を,学校教育で取り上げることは,防災上重要である。
地震動による地すべりシミュレーション実験装置「ユレオ」は,地震動による地すべりや崖崩れが発生する様子を,実感を持って理解させるための実験装置である(鈴木ほか,2009a,鈴木ほか,2009b,鈴木ほか,2009cなど)。
「ユレオ」は,2枚のベニヤ板と9本のバネからなり,2枚の板の間に9本のバネを接着し,上の板が自由に振動できるようにした装置である。この上に土で山を作り,手で揺することで地すべりや土砂災害を発生させる。
「ユレオ」は小学校理科の授業で用いられ,その効果が検証されるとともに(鈴木ほか,2009c),栗駒山麓ジオパークでは,2008年の岩手・宮城内陸地震の際に発生した。荒砥沢地すべりの説明に活用されている。
「ユレオ」は児童自身が手で揺れを発生させ,地すべりや崖崩れが起こる様子を観察できるため,地震による土砂災害を,実感をもって理解させる効果がある。
また,「ユレオ」は学校教育に普及させるために,安価で手軽で印象的な実験となるように意識して作成されている。
しかしながら,使用するバネはかなりの強度が必要で,ホームセンターによっては,販売されていない場合もある。
そこで,「ユレオ」をさらに簡易化した装置,「ユレオ2.0」を開発した。「ユレオ2.0」は「ユレオ」のバネ部分を丸棒2本で置き換えたものである。この棒は百円ショップで容易に入手でき,2本で220円とバネよりも安価である。
必要なものは,ベニヤ板(30cm×45cmくらい)1枚,丸い棒2本(長さ20cm以上),花の土(2Lほどを使用;野菜の土でもたぶん可能),紙コップあるいは茶漉し1個,スプレー(霧吹き)1個,カレンダーの紙(広告の紙でも良い;8cm×13cmくらい)軍手,バケツ,緑の粉(チョーク粉あるいはきなこ),水,新聞紙(1日分),実験台である。
このように,「ユレオ2.0」は「ユレオ」よりもさらに安価で手軽である。今後,学校やジオパークへの普及を図りたい。
なお,ポスター会場では,「ユレオ2.0」の演示実験を行う予定である。