日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG25] 文化水文学

2024年5月27日(月) 13:45 〜 15:00 301A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:中村 高志(山梨大学大学院・国際流域環境研究センター)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)、高橋 そよ(琉球大学)、安原 正也(立正大学地球環境科学部)、座長:中村 高志(山梨大学大学院・国際流域環境研究センター)、安原 正也(立正大学地球環境科学部)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)

14:45 〜 15:00

[HCG25-05] フェーズフリー排水処理としての人工湿地の可能性

★招待講演

*遠山 忠1、三輪 耀大1、西田 継1 (1.山梨大学)

キーワード:人工湿地、排水処理、フェーズフリー

人工湿地は、初期建設コストが安価で、運転に要するエネルギーとコストも少なく、さらに維持管理も容易でるため、新しい分散型の排水処理法として世界中で普及が進んでいる。人工湿地は自然生態系を模して水生植物、微生物およびろ床(砂、砂利、礫、軽石など)から構成されており、その浄化機構は、微生物による生物学的な有機物分解や硝化・脱窒、ろ床による物理化学的なろ過と吸着、および水生植物によるそれらの微生物学的および物理化学的浄化作用の補助・促進が組み合わされたものである。生活排水を集約して処理する下水道システムのような下水道管や大型インフラ施設が不要であること、電力投入を伴う曝気が不要であることから分散・自立型の排水処理が可能であり、地震災害時においても平時と変かわらないフェーズフリーの生活排水・下水の処理が期待できる。ここでは、人工湿地の生活排水処理の性能と消費電力量と、太陽光パネルと蓄電池を組み合わせた電力自立運転の実例を紹介する。さらに、フェーズフリー排水処理としての人工湿地の可能性と特徴について紹介する。