17:15 〜 18:45
[HDS09-P01] 2023年奥能登地震を受けた石川県珠洲市の住民の防災意識構造-2024年能登半島地震による被害を理解する前提として-
キーワード:能登半島地震、奥能登地震、アンケート調査、レディネス
2020年12月以降,石川県能登半島では群発地震が発生してきた.2023年年5月5日にM6.5(最大震度6強)の地震(令和5年奥能登地震)が発生し,死者1名のほか,350世帯を超える全半壊住家が生じた.この地震の発生に伴い,群発地震の震源域が北側に拡大し,海底活断層(F43断層珠洲沖セグメント)が震源域に含まれるようになったことから,群発地震が活断層地震を励起する可能性が指摘された.
F43海底活断層による地震が発生した場合,奥能登沿岸に大規模な津波が短時間で到達することが想定されていたことがあり,住民のレディネスを確認し,必要な支援を行うことを目的に珠洲市沿岸地域の36集落に居住する4916世帯の住民を対象に,悉皆調査でアンケート調査を実施した.
実際には,2024年1月1日にに令和6年能登半島地震が発生し,アンケート調査の集計中に懸念していた被害が生じた状況となった.今回の発表では,令和6年能登半島地震による被害の構造を理解するための,主に津波に対する住民意識を分析する資料として,アンケート結果について発表する.
令和5年奥能登地震によって大きな揺れに見舞われた地域であっても,津波に対しては「漠然とした」危機意識・認識しか有していなかったことが示された.例えば,約半数の住民は,奥能登地震発生時に津波を想起することができず,積極的な情報収集行動(テレビ等で津波警報の有無を確認するなど)をしなかった者も全体の20%超であった.また,活断層地震が励起された場合の津波への対応について,家族または自身の避難に不安を覚えていた住民が約半数,全体の15%程度は津波からの避難をあきらめている(逃げ切れないと思っている)ことが確認された.
F43海底活断層による地震が発生した場合,奥能登沿岸に大規模な津波が短時間で到達することが想定されていたことがあり,住民のレディネスを確認し,必要な支援を行うことを目的に珠洲市沿岸地域の36集落に居住する4916世帯の住民を対象に,悉皆調査でアンケート調査を実施した.
実際には,2024年1月1日にに令和6年能登半島地震が発生し,アンケート調査の集計中に懸念していた被害が生じた状況となった.今回の発表では,令和6年能登半島地震による被害の構造を理解するための,主に津波に対する住民意識を分析する資料として,アンケート結果について発表する.
令和5年奥能登地震によって大きな揺れに見舞われた地域であっても,津波に対しては「漠然とした」危機意識・認識しか有していなかったことが示された.例えば,約半数の住民は,奥能登地震発生時に津波を想起することができず,積極的な情報収集行動(テレビ等で津波警報の有無を確認するなど)をしなかった者も全体の20%超であった.また,活断層地震が励起された場合の津波への対応について,家族または自身の避難に不安を覚えていた住民が約半数,全体の15%程度は津波からの避難をあきらめている(逃げ切れないと思っている)ことが確認された.