17:15 〜 18:45
[HDS10-P10] 効率的な罹災証明交付のために必要な業務マネジメント要素の検討
−令和6年能登半島地震における富山県氷見市を事例として−
キーワード:業務マネジメント、罹災証明書交付、防災リテラシー、2024年能登半島地震
2024年1月1日に能登沖を震源とする能登半島地震が発生した。石川県の能登地方を中心に、激甚な被害が発生し、死者241名、重傷者312名の人的被害に加えて、石川県内だけでも65,570棟の住家で被害が発生した(2024年2月13日現在)。特に、全壊は確認されているだけで6,527棟にのぼる。揺れによる被害だけでなく、津波と火災によって多くの被害をもたらした。
石川県に隣接する富山県西部においても、揺れにともなった住家被害が発生した。富山県内で最も北西部に位置する氷見市では、揺れと液状化による被害が主に発生し、市内全域で5500棟の住家に被害が出たと想定されている。世帯数が約17,000であることを考えれば、全体の1/3で被害が発生していると考えられた。氷見市では、罹災証明書交付に向けて、1月12日から住家被害認定調査を本格的に実施した。本調査では、初動期に福島県から総括マネジメントとして3名、調査員として20名の応援を受けた。第2陣からは応援調査員を40名に増員し、2月9日まで応援職員の協力を得た調査が実施された。この調査結果をもとに、1月22日からは、罹災証明書交付を開始した。交付にあたっては、岡山県より総括マネジメントとして3名、窓口対応者として20名の応援を受けた。2月18日まで応援体制が続くことが予定されている。
このように、多くの応援が入りつつ、断続的に応援職員が入れ替わる中で、業務の品質を均一的に担保しなければならず、かつ効率的な業務運用が求められた。そこで本研究では、現場で運用される業務実態および想定される状況に基づき、業務マネジメントの要素を整理した。整理においては、特に災害対応経験の少ないマネジメント担当者と、経験を有する応援者、研究者が協議し、必要となる要素を同定し、素材を作成した。具体的には、次に示す7要素を設計し、実装検証を実施した。
1) 発行方針を明確化し地域性と被害特性を示した認識統一のための事前教育資料
2) 状況見積もりと資源見積もりを含めた業務予定
3) 動線を考慮した交付会場設計
4) 窓口数を考慮した役割編成(業務所掌)
5) 各日の業務実施工程表
6) 日々の対応から発生する課題への対応策を示したQ&A集
7) 誰もが容易に業務実現可能な支援ツール
これらの要素を富山県氷見市における現場対応の中で平行して実装し、その有用性を現場で評価した。有用性を評価するにあたり、日々の罹災証明書の交付実績を定量的に分析し、継続的に業務が運用されることを確認した。本発表では、その具体的な事例を示しながら、お互いの要素の役割と関係性を明示化し、今後の災害対応業務におけるマネジメント要素の標準化に資する内容を報告する。
石川県に隣接する富山県西部においても、揺れにともなった住家被害が発生した。富山県内で最も北西部に位置する氷見市では、揺れと液状化による被害が主に発生し、市内全域で5500棟の住家に被害が出たと想定されている。世帯数が約17,000であることを考えれば、全体の1/3で被害が発生していると考えられた。氷見市では、罹災証明書交付に向けて、1月12日から住家被害認定調査を本格的に実施した。本調査では、初動期に福島県から総括マネジメントとして3名、調査員として20名の応援を受けた。第2陣からは応援調査員を40名に増員し、2月9日まで応援職員の協力を得た調査が実施された。この調査結果をもとに、1月22日からは、罹災証明書交付を開始した。交付にあたっては、岡山県より総括マネジメントとして3名、窓口対応者として20名の応援を受けた。2月18日まで応援体制が続くことが予定されている。
このように、多くの応援が入りつつ、断続的に応援職員が入れ替わる中で、業務の品質を均一的に担保しなければならず、かつ効率的な業務運用が求められた。そこで本研究では、現場で運用される業務実態および想定される状況に基づき、業務マネジメントの要素を整理した。整理においては、特に災害対応経験の少ないマネジメント担当者と、経験を有する応援者、研究者が協議し、必要となる要素を同定し、素材を作成した。具体的には、次に示す7要素を設計し、実装検証を実施した。
1) 発行方針を明確化し地域性と被害特性を示した認識統一のための事前教育資料
2) 状況見積もりと資源見積もりを含めた業務予定
3) 動線を考慮した交付会場設計
4) 窓口数を考慮した役割編成(業務所掌)
5) 各日の業務実施工程表
6) 日々の対応から発生する課題への対応策を示したQ&A集
7) 誰もが容易に業務実現可能な支援ツール
これらの要素を富山県氷見市における現場対応の中で平行して実装し、その有用性を現場で評価した。有用性を評価するにあたり、日々の罹災証明書の交付実績を定量的に分析し、継続的に業務が運用されることを確認した。本発表では、その具体的な事例を示しながら、お互いの要素の役割と関係性を明示化し、今後の災害対応業務におけるマネジメント要素の標準化に資する内容を報告する。
