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[HDS11-P10] 数値シミュレーションに基づく2011年東北津波における海底面の干出の記述と考察

キーワード:2011年東北津波、数値シミュレーション、海底面の干出
非線形長波方程式を用いた数値シミュレーションによって、2011年東北津波における東北地方太平洋沿岸での海底面の干出の実態把握を行った。また、海底面の干出の有無による違いや干出した場所ごとの違いを明らかにし、その要因の理解を試みた。
2011年東北津波での数少ない干出の目撃証言からシミュレーションでの干出の再現性を確認した。そのシミュレーション結果について2つの観点から特徴をまとめた。
1.干出の実態把握に関して
干出は三陸南部沿岸で顕著に発生していたことがわかった。干出した場所の平均水深は約6mであり、岸からの平均距離約500mであった。宮城県石巻市金華山瀬戸では、幅2.4kmの範囲でこの津波における最大規模の干出が発生した。また、宮城県石巻市鮫浦湾では、水深25m以上の場所においても干出が発生した。干出した場所における最大流速の平均値は、4.8m/sであり、その大きい方から1割の平均値は10.3m/sであった。
2.最大流速に関して
干出した場所では、第2波到達時に最大流速を観測する傾向がみられた。加えて、同程度の水深において、干出した場所では、フルード数が大きくなりやすい傾向がみられた。干出した場所での、静水深を基準としたフルード数は平均0.89となった。
それぞれについて考察を行い、理解を試みた。
1.について、鮫浦湾や金華山瀬戸では、反射と屈折により、津波がエッジ波的振る舞いをして。伝播する様子がシミュレーション結果から観察された。これによって、水位変化が増大し、大きな水位低下となったと推測される。また、鮫浦湾の湾口における屈折より、水位上昇よりも水位低下の方が湾に伝播しやすいことがわかった。このため、最大津波高に比べて、最大水位低下が大きくなったと考えらえる。
2.について、浅海域では、津波の前傾化により先端部の海面勾配が大きくなり、流速も大きくなる。干出した地点では、第2波先端部が第1波の引き波に打ち消されずに到達する。これにより、最高流速が第2波到達時に観測されたと考えられる。加えて、干出後の水深が極めて浅い場所に第2波が到達するため、水の厚さが薄い流れとなる。これらより、水の厚さが薄く流速が大きな流れが生じたため、フルード数が大きくなったと考えられる。
2011年東北津波での数少ない干出の目撃証言からシミュレーションでの干出の再現性を確認した。そのシミュレーション結果について2つの観点から特徴をまとめた。
1.干出の実態把握に関して
干出は三陸南部沿岸で顕著に発生していたことがわかった。干出した場所の平均水深は約6mであり、岸からの平均距離約500mであった。宮城県石巻市金華山瀬戸では、幅2.4kmの範囲でこの津波における最大規模の干出が発生した。また、宮城県石巻市鮫浦湾では、水深25m以上の場所においても干出が発生した。干出した場所における最大流速の平均値は、4.8m/sであり、その大きい方から1割の平均値は10.3m/sであった。
2.最大流速に関して
干出した場所では、第2波到達時に最大流速を観測する傾向がみられた。加えて、同程度の水深において、干出した場所では、フルード数が大きくなりやすい傾向がみられた。干出した場所での、静水深を基準としたフルード数は平均0.89となった。
それぞれについて考察を行い、理解を試みた。
1.について、鮫浦湾や金華山瀬戸では、反射と屈折により、津波がエッジ波的振る舞いをして。伝播する様子がシミュレーション結果から観察された。これによって、水位変化が増大し、大きな水位低下となったと推測される。また、鮫浦湾の湾口における屈折より、水位上昇よりも水位低下の方が湾に伝播しやすいことがわかった。このため、最大津波高に比べて、最大水位低下が大きくなったと考えらえる。
2.について、浅海域では、津波の前傾化により先端部の海面勾配が大きくなり、流速も大きくなる。干出した地点では、第2波先端部が第1波の引き波に打ち消されずに到達する。これにより、最高流速が第2波到達時に観測されたと考えられる。加えて、干出後の水深が極めて浅い場所に第2波が到達するため、水の厚さが薄い流れとなる。これらより、水の厚さが薄く流速が大きな流れが生じたため、フルード数が大きくなったと考えられる。