17:15 〜 18:45
[HSC07-P05] CCS常設モニタリングのための震源開発およびデータ品質向上への取り組み
キーワード：Portable Active Seismic Source (PASS)、CCS/CCUS
CCS事業において、CO2の圧入や貯留に伴う貯留層や遮蔽層の微妙な経時変化を追跡するため、高い再現性と空間的・時間的に高い分解能を持つモニタリング技術が求められている。空間的なプリューム挙動の把握を目的に、弾性波探査法は広く用いられている一方で、大規模な商業目的のCCS操業に移行するに従い、高い調査コストが課題として強く指摘されるようになっている。また、操業管理や異常検知の観点から早期の貯留層把握が重要であるため、反射法地震探査データ処理および解析の品質向上や期間短縮も、課題として検討されている。
現状のモニタリングにかかる調査コストおよび調査期間の短縮といった課題を解決する方法として、近年受振器および震源を常設するモニタリング技術の研究が進んでいる。2022年度における実証試験において、常設型の受振器として想定されている分布型光ファイバ音響センサ(DAS)を用いたDAS-VSP記録の検証を行い、その有用性を確認した。震源に関しても常設可能な小型の可搬震源による記録の検証を行ったが、波形の再現性の担保、震源エネルギーの不足などが課題点として抽出された(Tsuji et al., 2023)。
本研究では、過去の実証試験で課題が抽出された小型震源に関しての検討を行った。上記の課題点を解決するため、出力エネルギーを増強できるよう小型震源を改良し、CCSモニタリングを想定し以下のような性能評価を行った。
・小型震源における最適な震源波形の収録方法の検討
・出力エネルギーの増強の効果の検証
・波形処理による記録品質の改善に関する検証
発表では実証試験を通じて得られた記録の比較などを行い、CCSモニタリングを想定した場合に再現性や品質に影響を与える要素の検討結果について紹介する。
参考文献
Tsuji, T., Arakawa, E., Tsukahara, H., Murakami, F., Aoki, N., Abe, S., & Miura, T. (2023). Signal propagation from portable active seismic source (PASS) to km‐scale borehole DAS for continuous monitoring of CO2 storage site. Greenhouse Gases: Science and Technology.
現状のモニタリングにかかる調査コストおよび調査期間の短縮といった課題を解決する方法として、近年受振器および震源を常設するモニタリング技術の研究が進んでいる。2022年度における実証試験において、常設型の受振器として想定されている分布型光ファイバ音響センサ(DAS)を用いたDAS-VSP記録の検証を行い、その有用性を確認した。震源に関しても常設可能な小型の可搬震源による記録の検証を行ったが、波形の再現性の担保、震源エネルギーの不足などが課題点として抽出された(Tsuji et al., 2023)。
本研究では、過去の実証試験で課題が抽出された小型震源に関しての検討を行った。上記の課題点を解決するため、出力エネルギーを増強できるよう小型震源を改良し、CCSモニタリングを想定し以下のような性能評価を行った。
・小型震源における最適な震源波形の収録方法の検討
・出力エネルギーの増強の効果の検証
・波形処理による記録品質の改善に関する検証
発表では実証試験を通じて得られた記録の比較などを行い、CCSモニタリングを想定した場合に再現性や品質に影響を与える要素の検討結果について紹介する。
参考文献
Tsuji, T., Arakawa, E., Tsukahara, H., Murakami, F., Aoki, N., Abe, S., & Miura, T. (2023). Signal propagation from portable active seismic source (PASS) to km‐scale borehole DAS for continuous monitoring of CO2 storage site. Greenhouse Gases: Science and Technology.