17:15 〜 18:45
[HTT17-P05] 自然音による空間認知と心理的変化
キーワード:蝉、閉鎖感
1. はじめに
現在、国民の自然環境保全に対する意識が高まる中で、自然公園への期待はより一層高まりつつある。新型コロナウィルスの影響により、密を避けられる都市公園はサードプレイスとしての大きな役割を果たした。しかし、公園における虫の音は、人々の快適性への影響力が大きいとされている。三宅らの調査では、虫の音について好き嫌いがわかった。これは虫の音について人々が意識していると捉えられる事例であり、自然に存在する虫に対する好みは個人差が大きい傾向にあるといえる。そこで、自然との共存を考えるなかで、虫の音、特にセミの鳴き声による心理的な影響量に着目し、誰もが快適と感じる自然環境の分析を進める必要があるのではないかと考えた。
2. 研究の目的
本研究の目的は自然との共存を図るために誰もが快適に感じる自然環境の要因を見つけることである。
自然公園は、国民が日本のありのままの自然とふれあい、自然のしくみを学ぶことのできる貴重な場所であり、生物多様性保全の観点からも積極的な役割を果たすことが求められている。
日常生活では交通量や生物の鳴き声、人の声など多くの影響を受けていることが考えられるが、自然公園内においては特に蝉の鳴き声の影響を強く受けていることが予想される。本研究では、蝉の鳴き声について心理的な音の感じ方の変化を調査する。
3. アンケート調査
本調査の目的は、被験者が景色から読み取る心理的な影響を明らかにすることである。ここでの調査方法は、景色の異なる同じ音源の映像6つに対して音が大きく感じるのはどちらかを聞き、一対比較法を用いて優劣をつけてもらった。
その結果、閉鎖感が強い場合は同一の音源でも音を大きく感じ、閉鎖感が弱い場合は音を小さく感じることから、景色の閉鎖感が心理的影響を与えていることが分かった。これは壁面や天井の割合などが影響していると考えられる。
また、写真を再度選定し同様の調査に加えて壁面や天井の割合が閉鎖感に直結しているか調査した。その結果、選定後の写真でも同様の結果が得られた。また、壁面や天井の割合が閉鎖感に直結していることが分かった。
4. 実験調査
実験調査ではアンケート結果をもとに実音と変化が生じるのかを調査するために不快感の限界値を調べる。心理的な影響が不快感の限界値にどのように作用しているのか、また、写真の閉鎖感との関連性を明らかにすることが本調査の目的である。調査方法は映像を視聴してもらい、映像視聴中に「うるさい」と感じた瞬間に映像を止めさせ、秒数とその秒数での音圧を記録した。使用する映像は15秒間音量が一定に増加する景色の異なるものとした。その結果、不快感の限界値と心理的音量では関係がみられなかった。しかし、映像から閉鎖感だけでなく、対象物の明確さや距離感、実距離と認知距離との違和感などの要素によって判断され、これらが互いに干渉しあっていた可能性が考えられる。
5. 結論
アンケートの結果、人々が景色から読み取る心理的な閉鎖感と心理的音量に強い関係性を読み取ることができた。その結果を踏まえ、それらの関係が実音と変化が生じるのか実験をおこなったが映像から閉鎖感だけでなく、対象物の明確さや距離感、実距離と認知距離との違和感などの要素によって判断されていることがわかった。
現在、国民の自然環境保全に対する意識が高まる中で、自然公園への期待はより一層高まりつつある。新型コロナウィルスの影響により、密を避けられる都市公園はサードプレイスとしての大きな役割を果たした。しかし、公園における虫の音は、人々の快適性への影響力が大きいとされている。三宅らの調査では、虫の音について好き嫌いがわかった。これは虫の音について人々が意識していると捉えられる事例であり、自然に存在する虫に対する好みは個人差が大きい傾向にあるといえる。そこで、自然との共存を考えるなかで、虫の音、特にセミの鳴き声による心理的な影響量に着目し、誰もが快適と感じる自然環境の分析を進める必要があるのではないかと考えた。
2. 研究の目的
本研究の目的は自然との共存を図るために誰もが快適に感じる自然環境の要因を見つけることである。
自然公園は、国民が日本のありのままの自然とふれあい、自然のしくみを学ぶことのできる貴重な場所であり、生物多様性保全の観点からも積極的な役割を果たすことが求められている。
日常生活では交通量や生物の鳴き声、人の声など多くの影響を受けていることが考えられるが、自然公園内においては特に蝉の鳴き声の影響を強く受けていることが予想される。本研究では、蝉の鳴き声について心理的な音の感じ方の変化を調査する。
3. アンケート調査
本調査の目的は、被験者が景色から読み取る心理的な影響を明らかにすることである。ここでの調査方法は、景色の異なる同じ音源の映像6つに対して音が大きく感じるのはどちらかを聞き、一対比較法を用いて優劣をつけてもらった。
その結果、閉鎖感が強い場合は同一の音源でも音を大きく感じ、閉鎖感が弱い場合は音を小さく感じることから、景色の閉鎖感が心理的影響を与えていることが分かった。これは壁面や天井の割合などが影響していると考えられる。
また、写真を再度選定し同様の調査に加えて壁面や天井の割合が閉鎖感に直結しているか調査した。その結果、選定後の写真でも同様の結果が得られた。また、壁面や天井の割合が閉鎖感に直結していることが分かった。
4. 実験調査
実験調査ではアンケート結果をもとに実音と変化が生じるのかを調査するために不快感の限界値を調べる。心理的な影響が不快感の限界値にどのように作用しているのか、また、写真の閉鎖感との関連性を明らかにすることが本調査の目的である。調査方法は映像を視聴してもらい、映像視聴中に「うるさい」と感じた瞬間に映像を止めさせ、秒数とその秒数での音圧を記録した。使用する映像は15秒間音量が一定に増加する景色の異なるものとした。その結果、不快感の限界値と心理的音量では関係がみられなかった。しかし、映像から閉鎖感だけでなく、対象物の明確さや距離感、実距離と認知距離との違和感などの要素によって判断され、これらが互いに干渉しあっていた可能性が考えられる。
5. 結論
アンケートの結果、人々が景色から読み取る心理的な閉鎖感と心理的音量に強い関係性を読み取ることができた。その結果を踏まえ、それらの関係が実音と変化が生じるのか実験をおこなったが映像から閉鎖感だけでなく、対象物の明確さや距離感、実距離と認知距離との違和感などの要素によって判断されていることがわかった。