日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT17] 地理情報システムと地図・空間表現

2024年5月29日(水) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学)

17:15 〜 18:45

[HTT17-P06] 空間認知を用いたトポロジカル・ハザードマップ

*田中 一成1 (1.大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)

キーワード:GIS、歪み、トポロジー、避難

現代の都市では、地震や津波,これらにともなう火事等の災害に対して避難計画が策定されており,その中で災害時の一時避難場所,長期避難場所が設定されている。この避難計画の中で,避難訓練をすることが重要であるとされており,市民がその訓練を継続的に実施することによってさまざまな災害に対応できるといえる。しかし,現実には避難訓練に参加できない高齢者など,参加しない人々は多数存在する。市民の多くは,計画を理解していても,実際にシミュレーションをしていない。また,災害が起こったとき,市民の多くは,計画に設定された避難場所に避難することをためらう可能性がある。あるいは,彼らにとって,近いけれどよく知らない避難場所よりも,よく通る道沿いにある避難場所に,そこが少し遠くても避難したいと考える可能性がある。これは,近所のコミュニティ集団に対しても同様と考えられる。彼らにとって,近い隣町よりも,遠いがよく知っている町のほうが,避難しやすい場所であると考えられる。実際に,このような市民の都市に対する認知構造を理解したうえで,避難計画を作成する必要がある。
この研究では,市民の認知地図から,避難場所として適切な場所をみつけることを目的とする。この研究では,最も認知地図を抽出可能である10歳から12歳の子どもたちを対象として,データを収集している。子どもの認知マップではカーブや交差点などの方向転換を行う場所は実際よりも大きく描かれており,商店街などのお店の集まった賑やかな場所は幅が広く距離が短く描かれている。分析の結果,よく知る地区に避難経路を設定することの重要性をみいだした。