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[MIS08-08] 地震火山地質こどもサマースクール開催から得られるもの
キーワード:地震火山地質こどもサマースクール、地球科学教育
地震火山地質こどもサマースクール(2019年までは地震火山こどもサマースクール)(以下サマスク)は、地震・火山・地質の第一線で活躍する専門家が、子どもたちと同じ視点でフィールドワークや実験などのプログラムに取り組み、身の回りの景色にある大地の成り立ちのヒミツを発見する現地巡検を交えた子ども向けのワークショップである。日本地震学会と日本火山学会が合同で1999年から開始し、2011年以降は日本地質学会も加わり、2023年には開催回数は22回を迎えた。運営組織は毎回、地震・火山・地質の各学会と開催地のカウンターパートからなる実行委員会を発足し、ている。近年、サマスクでは、次世代を担う子どもたちへの研究者の直接的な関わりや探究活動を重視しているだけでなく、地域や全国における防災学習や地球科学学習に関わる実践者の育成も重視している。サマスクの実施や準備過程で検討されたプログラム、資料、実験道具をはじめとするコンテンツに加えて、子どもたちの探究学習を進めるためのノウハウは、その地域特有の財産として受け継がれると考えるからだ。サマスクを地域の大人が研究者と共に作り上げることで、多様な世代が共に学び合い、良い刺激と影響を与え合う絶好の機会が得られる。また、その土地ならではの暮らし方や地域に起こりうる災害との向き合い方、地域の恵みを享受する方法を大人と子どもが協力して考えるきっかけにもなり得る。世代を超えたつながりだけでなく、地域の中での面的な広がりも生まれている。サマスクは、過去、半数弱がジオパークを舞台に開催されており、各ジオパークの推進協議会が開催地におけるカウンターパートを担ってきた。その他の地域では、NPOや行政、市民団体が主体となって開催されることもある。前回、第22回サマスクは、「ひらつか防災まちづくりの会」(以下まちづくりの会)という市民団体と協力して開催された。まちづくりの会では、サマスク開催にあたり、平塚市博物館や平塚市災害対策課と積極的に連携し、さらに市内の小中学校の教員参加を募った。その結果、市内の行政の諸機関との連携、さらに教育関係者とのつながりも生まれ、学校からの要請を受けて「防災出前授業」を行うようになるなどまちづくりの会の活動の幅がひろがった。このように、サマスク開催の効果は子どもたちへの教育効果だけでなく、コンテンツを作り上げる過程で生まれる地域の社会の、年齢を超えた面的なつながりを生む効果があった。
以下に、サマスクの教育プログラムの特徴を紹介する。
1.募集対象は小学5年生から高校3年生まで。
2.一泊二日または宿泊を伴わない2日日程の異年齢集団でのグループ活動を通じた探究活動。
3.野外巡検での地形、露頭、地質の観察と実験、講師による対話形式の講話からなるプログラム構成。
4.2日間のサマスク学んだ内容をまとめ、発表する報告会(一般公開のフォーラム)の実施。
5.プログラム全体を通して、スタッフは「教える」側のみではなく、「共に学び、体験する仲間」という立場であり、参加者と共に探究活動を行う。
また、サマスク開催までの要件と概要は以下の通り。開催地の公募は、毎年開催年の2年前の2月頃を締め切りとして行われる。
1.地震火山地質こどもサマスクの主旨に賛同し、現地事務局を設置できる団体。なお、応募が採択された後は、三学会(地震・火山・地質の各学会)のスタッフと現地事務局で実行委員会を結成し、この実行委員会がサマスクを実施する。
2.現地学校の夏休み期間中に1泊2日または2日間の通い形式でサマスクを実施できること。
3.子どもとスタッフの宿泊に供することができる宿泊施設が、確保可能なことが望ましい。
採択された開催地のスタッフは、開催前年までのサマスクに準備段階からスタッフとして1〜2名の参加が可能。これにより、開催地の子どもや大人にとって、どのような効果をもたらすかなど、イメージを持つことが可能になる。前年度のサマスクが開催される頃には、コンテンツの中核となる開催地の要望に応じた研究者(学会所属)に講師を依頼する。プログラムは、講師と開催地のスタッフ、サマスク運営スタッフが協力して作成される。前年度の秋頃までに下見を行い巡検の候補地を検討し、子どもたちが探究する課題を練り上げる。プログラムの詳細については、基本的にオンライン会議やメーリングリスト上で詰める。予算の作成や実施要項は前年度内に作成される。また、より充実したサマスクのために、学会予算に加えて助成金の申請を行うことが多い。夏休み期間中の本番に向けて、5月には募集を開始し、運営上の詳細を詰め、本番を迎える。
なお、2024年は徳島県三好市周辺、2025年は木曽御嶽山周辺地域での開催を予定しており、2026年に以降の開催地を募集中である。(2023年1月現在)。
以下に、サマスクの教育プログラムの特徴を紹介する。
1.募集対象は小学5年生から高校3年生まで。
2.一泊二日または宿泊を伴わない2日日程の異年齢集団でのグループ活動を通じた探究活動。
3.野外巡検での地形、露頭、地質の観察と実験、講師による対話形式の講話からなるプログラム構成。
4.2日間のサマスク学んだ内容をまとめ、発表する報告会(一般公開のフォーラム)の実施。
5.プログラム全体を通して、スタッフは「教える」側のみではなく、「共に学び、体験する仲間」という立場であり、参加者と共に探究活動を行う。
また、サマスク開催までの要件と概要は以下の通り。開催地の公募は、毎年開催年の2年前の2月頃を締め切りとして行われる。
1.地震火山地質こどもサマスクの主旨に賛同し、現地事務局を設置できる団体。なお、応募が採択された後は、三学会(地震・火山・地質の各学会)のスタッフと現地事務局で実行委員会を結成し、この実行委員会がサマスクを実施する。
2.現地学校の夏休み期間中に1泊2日または2日間の通い形式でサマスクを実施できること。
3.子どもとスタッフの宿泊に供することができる宿泊施設が、確保可能なことが望ましい。
採択された開催地のスタッフは、開催前年までのサマスクに準備段階からスタッフとして1〜2名の参加が可能。これにより、開催地の子どもや大人にとって、どのような効果をもたらすかなど、イメージを持つことが可能になる。前年度のサマスクが開催される頃には、コンテンツの中核となる開催地の要望に応じた研究者(学会所属)に講師を依頼する。プログラムは、講師と開催地のスタッフ、サマスク運営スタッフが協力して作成される。前年度の秋頃までに下見を行い巡検の候補地を検討し、子どもたちが探究する課題を練り上げる。プログラムの詳細については、基本的にオンライン会議やメーリングリスト上で詰める。予算の作成や実施要項は前年度内に作成される。また、より充実したサマスクのために、学会予算に加えて助成金の申請を行うことが多い。夏休み期間中の本番に向けて、5月には募集を開始し、運営上の詳細を詰め、本番を迎える。
なお、2024年は徳島県三好市周辺、2025年は木曽御嶽山周辺地域での開催を予定しており、2026年に以降の開催地を募集中である。(2023年1月現在)。