日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS11] 山の科学

2024年5月27日(月) 15:30 〜 16:45 201B (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)、佐々木 明彦(国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース)、奈良間 千之(新潟大学理学部フィールド科学人材育成プログラム)、西村 基志(信州大学 先鋭領域融合研究群 山岳科学研究拠点)、座長:佐々木 明彦(国士舘大学文学部史学地理学科 地理・環境コース)、奈良間 千之(新潟大学理学部フィールド科学人材育成プログラム)

16:30 〜 16:45

[MIS11-10] 船形連峰泉ヶ岳の景観にみる過去の里山利用の影響

*西城 潔1 (1.宮城教育大学)

キーワード:里山利用、景観、裸地、二次遷移、泉ヶ岳

東北地方中部の船形連峰東端に位置する泉ヶ岳(1172 m)は、藩政時代から麓の村落の 入会地として採草・萱刈・放牧などの里山利用に供されてきた。表層堆積物 ・旧版地形図 ・ 文献等の特徴から、ここでは 18 世紀後半に火入れを伴う里山利用で森林植生が破壊され草原的景観が卓越するようになり、その一部が裸地化して表面侵食による土砂流出もみられた。年次の異なる空中写真の判読結果や現地での地形・植生調査の結果から、過去の里山利用の影響で発生したこのような裸地は徐々に縮小しつつあるとみられるものの、裸地も含むその周辺の景観は過去の里山利用に起因する環境荒廃の痕跡とみなされる。