日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS15] 地球表層における粒子重力流のダイナミクス

2024年5月29日(水) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:成瀬 元(京都大学大学院理学研究科)、酒井 佑一(宇都宮大学農学部)、志水 宏行(砂防・地すべり技術センター)、田邊 章洋(防災科学技術研究所)

17:15 〜 18:45

[MIS15-P03] ダムブレイク実験による流木混じり土石流の挙動の検討

伊澤 輝希1、*酒井 佑一1 (1.宇都宮大学農学部)

キーワード:土石流、流木、ダムブレイク実験

近年、日本において豪雨により土石流が発生する際、それに伴う流木により被害が増大している。これは、日本の森林では樹木が大径化し、森林蓄積量が増大していることが一因とされている。防災上の観点から、このような流木混じりの土石流の挙動の解明が求められている。流木の発生要因としては様々なものがあるが、土石流に伴って発生する流木では、斜面崩壊が土石流化する際に立木が流木化することが一般的である。これまで、流木混じりの土石流の挙動については多くの検討が行われてきたが、斜面に生えている立木が崩壊から流木化する際のプロセスは十分に検討されていない。そこで、本研究では、ダムブレイク実験によって土石流を発生させ、立木が流木化する際のプロセスを検討した。
 実験では、渓流部に相当する水路(勾配15°)と、斜面部に相当する水路(勾配45°)を用意した。斜面部では、土砂の堆積層とその上に立木模型として丸棒を用意し、堆積層を水で飽和させた後、堆積層を静止させているシャッターを開くことで土石流を発生させ(ダムブレイク)、渓流部に流れ込む際の土砂と流木の挙動を検討した。実験条件として、渓流部と斜面部の合流角は、0°から90°まで4種類設定し、堆積層厚を2種類、堆積層の飽和後の水の給水方法を3種類変化させた。その結果、流木は基本的に土砂に追随して動き、合流角の違いによる土砂の挙動の影響を大きく受けることが分かった。