16:15 〜 16:30
[MIS16-04] 視覚的特徴に基づいた火山性露頭の構造と岩相の認識プロセスの解析
キーワード:野外地質調査、露頭観察、岩相認識、火山
視覚的な露頭情報から露頭全体の構造や構成物を把握し,それに基づき露頭の特定の場所でより詳細なデータの取得や試料採取のための場所を選定するのが,野外調査における一般的な手順である.従って,露頭の視覚的情報からどのように露頭の構造や構成物を把握するかが野外露頭観察における初期の重要なステップとなる.光学カメラの画像などから露頭の構造や岩相を自動識別することができれば,人間の処理能力を超えた大量の画像から広範囲の露頭構造や岩相を客観的に把握することができ,それに基づき重要な観察地点を効率的に把握することが可能となるかもしれない.このような技術は,特に極地や月・惑星といった調査時間が限られた探査においては極めて有効に働く可能性がある.
本研究では,露頭の光学画像から岩相や構造を自動認識することを目標とし,まず実際の露頭観察における露頭のみかけから岩相や構造を推測するプロセスを解析し,露頭のどのような光学的な特徴を抽出すべきかを解析する.また,研究者が露頭を観察する際の思考や手順を整理し,その結果を画像処理と識別のアルゴリズムに反映させることを目指している.本発表ではこの一連のプロセスのうち,研究者が露頭を観察する際の思考や手順の整理結果について報告する.
まず,地質学者の間で露頭の認識が何に基づいているかを把握するための簡単なアンケートを実施した.その結果,露頭の色調と表面のテクスチャが露頭の岩相把握のためには重要な情報であること,また色調と表面テクスチャのどちらをより重視するかは,対象やその状態によって変わること,それぞれの露頭における岩相認識に必要な着目点は,一定の経験のある地質学者の間ではほとんど一致していることなどがわかった.これに基づき,伊豆大島や三宅島などいくつかの典型的な火山地域の露頭において,地質学者による実際の露頭観察と画像処理による自動判別の結果を照合し,岩相把握のためにはどのような特徴量を画像処理によって識別すべきかを検討した.
その結果,人間の認識では,緻密な溶岩や淘汰の良いスコリア層などいくつかの典型的な岩相について,その色相やテクスチャといった見かけの特徴をある種の教師データとして記憶しており,未知の露頭においては露頭面の中でそれらの既知の岩相の特徴にもっともよく適合する場所を露頭面から選択して岩相を認識していること,またその場所から次第に特徴が不明瞭な場所に拡張して岩相の分布を推測していることが明らかになった.特に,表面が埃や二次析出物などで被覆されている場合には,被覆物があった場合には露頭の特徴のうちどのようなものが見えなくなり,またどのような二次的な特徴が付加されるかを加味して岩相の認識を行っていることが明らかになった.そして画像解析による露頭認識の開発を念頭に、このような研究者が露頭を観察・解析するプロセスの一般化・フローチャート化を試みた.
本研究では,露頭の光学画像から岩相や構造を自動認識することを目標とし,まず実際の露頭観察における露頭のみかけから岩相や構造を推測するプロセスを解析し,露頭のどのような光学的な特徴を抽出すべきかを解析する.また,研究者が露頭を観察する際の思考や手順を整理し,その結果を画像処理と識別のアルゴリズムに反映させることを目指している.本発表ではこの一連のプロセスのうち,研究者が露頭を観察する際の思考や手順の整理結果について報告する.
まず,地質学者の間で露頭の認識が何に基づいているかを把握するための簡単なアンケートを実施した.その結果,露頭の色調と表面のテクスチャが露頭の岩相把握のためには重要な情報であること,また色調と表面テクスチャのどちらをより重視するかは,対象やその状態によって変わること,それぞれの露頭における岩相認識に必要な着目点は,一定の経験のある地質学者の間ではほとんど一致していることなどがわかった.これに基づき,伊豆大島や三宅島などいくつかの典型的な火山地域の露頭において,地質学者による実際の露頭観察と画像処理による自動判別の結果を照合し,岩相把握のためにはどのような特徴量を画像処理によって識別すべきかを検討した.
その結果,人間の認識では,緻密な溶岩や淘汰の良いスコリア層などいくつかの典型的な岩相について,その色相やテクスチャといった見かけの特徴をある種の教師データとして記憶しており,未知の露頭においては露頭面の中でそれらの既知の岩相の特徴にもっともよく適合する場所を露頭面から選択して岩相を認識していること,またその場所から次第に特徴が不明瞭な場所に拡張して岩相の分布を推測していることが明らかになった.特に,表面が埃や二次析出物などで被覆されている場合には,被覆物があった場合には露頭の特徴のうちどのようなものが見えなくなり,またどのような二次的な特徴が付加されるかを加味して岩相の認識を行っていることが明らかになった.そして画像解析による露頭認識の開発を念頭に、このような研究者が露頭を観察・解析するプロセスの一般化・フローチャート化を試みた.