16:30 〜 16:45
[MIS16-05] 伊豆大島地層大切断面における地層境界線の自動認識アルゴリズムのプロトタイプ実証
キーワード:画像認識、自動化、地質調査手法の高度化、自律探査機
本研究では、従来の路頭の記載・層序分類プロセス中の属人的な知識と経験に強く依存した手順を岩層特徴量の自動認識アルゴリズムによるコンピュータ自動処理に置き換えることで、効率的なその場調査手法の開発をおこなう。本研究の第一段階としては、地球上での地質調査を効率化させ新しい発見をすることができる可能性を向上させ、第二段階としては、宇宙探査における月や火星の地下空洞探査において詳細データを取得する場所の自動選定やエッジコンピューティングによるデータ圧縮・高効率伝送のキー技術を開発し、効率的な自律探査システムの実現を目指す[1][2]。
初期実証として層構造に複雑な湾曲や不整合が見られない比較的単純な地層の事例として、伊豆大島火山の地層大切断面路頭に露出する降下火砕物路頭における地質調査において自動認識アルゴリズムのプロトタイプツールの実証を以下の通りおこなった。
1)主要な地層構造のみを取り出すための画像前処理、画像輝度勾配が大きい境界線認識、不要な境界線の削除から機能構成される地層境界線を自動認識し強調画像として出力することができるアルゴリズムを開発した。
2)地層境界線の自動認識ツールをWebサービスとしてタブレット端末等の凡ゆるデバイスから実行することができるシステムを開発した。
3)地層境界線を自動認識した強調画像を出力し、調査作業者による地層境界線の記載のための補助画像としてシームレスに活用できることを実証した。また連携研究者が開発したツールの入力データとすることで、柱状図の自動出力ができることを実証することができた[3]。
実証成果としては、伊豆大島地層大切断面の様々な対象について、主要な地層境界線の自動認識が適切に実施できることを実証することができた。また定量的根拠に基づく一般化された画像認識処理をすべての画像に適用することで、地質調査の経験不足、調査作業者の作業の質のばらつきに影響されにくい地質調査手法に繋がる目処を得ることができた。
今後は、様々な種類の路頭に対する特徴認識アルゴリズムのロバスト性向上、地層境界線を一連の線分セグメント情報としての抽出、一連の柱状図作成を効率化するための粒度認識などの機能開発を進める。また境界線認識に加えてセグメントごとのテクスチャ情報の認識アルゴリズム開発、柱状図作成の効率化以外の地質調査手法の高度化につなげる活動を展開していく。
参考文献
[1] 地質調査手法の高度化のための地層の特徴量自動認識アルゴリズムの初期適用、JpGU2023
[2] 乱れの少ない火山性露頭に対する地層の特徴量自動認識アルゴリズムの初期適用、日本惑星科学会2023
[3] 釘宮恵那、野口里奈、露頭柱状図自動作成のための描画・レポート生成アルゴリズムの開発、JpGU2024
初期実証として層構造に複雑な湾曲や不整合が見られない比較的単純な地層の事例として、伊豆大島火山の地層大切断面路頭に露出する降下火砕物路頭における地質調査において自動認識アルゴリズムのプロトタイプツールの実証を以下の通りおこなった。
1)主要な地層構造のみを取り出すための画像前処理、画像輝度勾配が大きい境界線認識、不要な境界線の削除から機能構成される地層境界線を自動認識し強調画像として出力することができるアルゴリズムを開発した。
2)地層境界線の自動認識ツールをWebサービスとしてタブレット端末等の凡ゆるデバイスから実行することができるシステムを開発した。
3)地層境界線を自動認識した強調画像を出力し、調査作業者による地層境界線の記載のための補助画像としてシームレスに活用できることを実証した。また連携研究者が開発したツールの入力データとすることで、柱状図の自動出力ができることを実証することができた[3]。
実証成果としては、伊豆大島地層大切断面の様々な対象について、主要な地層境界線の自動認識が適切に実施できることを実証することができた。また定量的根拠に基づく一般化された画像認識処理をすべての画像に適用することで、地質調査の経験不足、調査作業者の作業の質のばらつきに影響されにくい地質調査手法に繋がる目処を得ることができた。
今後は、様々な種類の路頭に対する特徴認識アルゴリズムのロバスト性向上、地層境界線を一連の線分セグメント情報としての抽出、一連の柱状図作成を効率化するための粒度認識などの機能開発を進める。また境界線認識に加えてセグメントごとのテクスチャ情報の認識アルゴリズム開発、柱状図作成の効率化以外の地質調査手法の高度化につなげる活動を展開していく。
参考文献
[1] 地質調査手法の高度化のための地層の特徴量自動認識アルゴリズムの初期適用、JpGU2023
[2] 乱れの少ない火山性露頭に対する地層の特徴量自動認識アルゴリズムの初期適用、日本惑星科学会2023
[3] 釘宮恵那、野口里奈、露頭柱状図自動作成のための描画・レポート生成アルゴリズムの開発、JpGU2024