日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD35] 将来の衛星地球観測

2024年5月28日(火) 11:00 〜 12:15 106 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、高薮 縁(東京大学 大気海洋研究所)、祖父江 真一(宇宙航空研究開発機構)、小原 慧一(宇宙航空研究開発機構)、座長:高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)

11:15 〜 11:30

[MSD35-07] 小型衛星海色ミッション

*石坂 丞二1虎谷 充浩2平譯 享3平田 貴文4小林 拓5作野 裕司6比嘉 紘士7、松岡 敦9高尾 信太郎8鈴木 光次10 (1.名古屋大学宇宙地球環境研究所、2.東海大学工学部、3.国立極地研究所、4.北海道大学北極域研究センター、5.山梨大学大学院総合研究部、6.広島大学大学院先進理工学系科学研究科、7.横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院、8.国立環境研究所、9.ニューハンプシャー大学、10.北海道大学大学院地球環境科学研究院)

キーワード:小型衛星、海色、しきさい、植物プランクトン

海色リモートセンシングは、当初植物プランクトンの総量を表すクロロフィルaの観測のために開始された。しかし、現在は炭素循環や生物地球化学・生態学的に重要な基礎生産や群集組成、陸域起源物質の挙動把握などに利用される。また、赤潮や流れ藻、火山活動など、実利用分野でも期待されている。一方、これらの海洋現象は時空間変動が大きいが、海色観測は雲の影響を受けやすいために、高時空間解像度の観測が必要である。また反射率の低い海面で、微妙な色の違いを観測するためには、高S/Nかつ高波長分解能である必要もある。これを将来ミッションで実現するために、小型の衛星を複数打ち上げ、現在観測を行っているSGLIを基幹センサとして利用することによって、その有効性の実証を行っていくことを提案する。センサとしては、1)SGLIに近い性能を持つ小型衛星、2)植物プランクトンの蛍光や群集構造、赤潮プランクトンなどの特徴的なスペクトルとらえる多波長センサ、3)沿岸域のための高空間解像度センサ、4)鉛直的な分布を測定するLidar、5)次世代の大気補正手法や水中物質把握のための偏光センサなどが考えらえる。これらの小型衛星を活用することによって、将来のよりしっかりとした観測体制確立につなげたい。また他分野や民間と協力することで、このようなミッションを実現させる枠組みをTFのもとに作っていくことを提案する。