日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-SD 宇宙開発・地球観測

[M-SD35] 将来の衛星地球観測

2024年5月28日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:高橋 暢宏(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、高薮 縁(東京大学 大気海洋研究所)、祖父江 真一(宇宙航空研究開発機構)、小原 慧一(宇宙航空研究開発機構)

17:15 〜 18:45

[MSD35-P08] アジア静止軌道からの大気環境物質GHGs/SLCFsの測定

*笠井 康子1,5金谷 有剛3,5齋藤 尚子6,5江口 菜穂7,5佐藤 知紘2,5藤縄 環4,5山下 陽介4,5関谷 高志3,5 (1.東京工業大学、2.情報通信研究機構、3.海洋研究開発機、4.国立環境研、5.日本大気化学会 大気環境衛星検討委員会、6.千葉大学、7. 九州大学)

キーワード:アジア大気汚染、地球温暖化、大気組成、グリーンイノベーション、グリーンリカバリー

地球温暖化と大気汚染は喫緊に解決が求められるグローバルな社会課題である。パリ協定・グローバルストックテイクの1.5度目 標達成に加え、大気汚染については420万人/年に上る世界の早期死亡者数の対策のためには,ホットスポットともいえるアジア地域の観測が重要である。
 我々は,大気中のCO2等の長寿命温室効果気体(GHGs)と大気汚染物質である短寿命気候強制因子(SLCFs)の濃度分布とその振舞いを準リアルタイムかつ面的に密に観測するためのアジア域上軌道の静止衛星を提案する.アジアの個別発生源から地域規模の濃度拡がりを連続的にとらえるために、静止軌道からの観測で30分程度の時間分解能を目的とすると共に,GOSAT-GWの経験などからハイパースペクトル計測では比類のないキロメートル級分解能を達成することを目指す。観測データに大気化学輸送モデルやデータ同化を活用することで,巨大発生源や地域の「排出量」を即時評価し、効果的な改善を導くことを目的とする。両課題に排出削減から取り組む際のシナジー効果に関しても評価し課題解決に取り込む。これらにより,削減政策の効果を実濃度の変化から評価し、政策の最適化を繰り返すことで、社会的コモンとしての科学的知見を提供し削減取組を牽引する。IPCC AR7サイクルで始まるSLCFインベントリ、SDGs等にも貢献する。(本件は第3回の改訂提案である)