[M-TT38] インフラサウンド及び関連波動が繋ぐ多圏融合地球物理学の新描像

[MTT38-03] 低周波音波を用いたインバージョン解析による早期津波検知法：島しょ地域の観測点を利用した展開

*大久保 寛¹、齊藤 義騎¹、徳田 雅巳¹ (1.東京都立大学システムデザイン研究科)

キーワード：津波波源推定、津波、微気圧波、超低周波音、インバージョン解析、津波早期検知

巨大地震時の津波発生に伴う気圧変化は古くから観測されており，津波の発生によって引き起こされる気圧の変化については様々な研究が報告されている． 我々は，これまでに波源と大気モデルを考慮した大規模伝搬数値シミュレーションを実装し，津波による超低周波音の伝播現象について数値的に再現する時間領域数値解析手法を提案し，その有効性を示した．さらに，開発した超低周波音の数値解析モデルを用いたインバージョンによって津波波源を推定する方法を提案し報告した．本研究では，この津波波源推定法および早期津波検知法のフレームワークを用いた社会実装として，東京都の島しょ地域へ観測点の配置し，インバージョン手法のロバスト性を向上させるとともに，早期検知法を検討する．超低周波音の波源と津波の波源と極めて関係性が高い．すなわち，超低周波音の波源を求めることは津波の波源を求めることになり得る．提案するインバージョン手法を用いた津波波源推定は，早期津波検知法として有望と期待している．