日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT38] インフラサウンド及び関連波動が繋ぐ多圏融合地球物理学の新描像

2024年5月30日(木) 10:45 〜 12:15 303 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:山本 真行(高知工科大学 システム工学群)、西川 泰弘(高知工科大学 システム工学群)、市原 美恵(東京大学地震研究所)、乙津 孝之(一般財団法人 日本気象協会)、座長:西川 泰弘(高知工科大学 システム工学群)、中島 健介(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)

11:45 〜 12:00

[MTT38-10] 大気圏再突入サンプルリターンカプセルが生むインフラサウンドの発生メカニズムの検討(OSIRIS-REx と HAYABUSAシリーズ)

*蓮見 佑太1山本 真行2西川 泰弘2 (1.高知工科大学 大学院工学研究科、2.高知工科大学 システム工学群)

キーワード:地球帰還カプセル、インフラサウンド、はやぶさ、オサイリスレックス

インフラサウンドとは人の可聴周波数下限である20Hz以下の周波数を持つ音である。また火山の噴火や津波などの大規模現象で発生することが分かっている。防災関係での応用が期待されている分野である。インフラサウンドによる観測が期待される現象の一つとして、隕石の大気圏突入がある。隕石が超音速で大気圏を通過する時、光と音を発生させることが知られており、この光や音を観測することで、流星の速度や大きさを見積もることができる。2023年9月24日、アメリカ航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機 OSIRIS-REx のサンプルリターンカプセル(SRC)が地球大気に再突入した。今回私たちは大気圏に再突入した SRC を人工流星とみなし、インフラサウンドの観測を行った。複数の携帯型小型インフラサウンドセンサーとマイクロフォンを用いて簡易的な観測ネットワークを設置し、SRCが発生させたインフラサウンドと音波の観測に成功した。この観測した気圧変動に着目しOSIRIS-RExやはやぶさ2などの異なるSRCによる衝撃波の発生メカニズムの理解を目指す。