日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-ZZ その他

[M-ZZ43] 再生可能エネルギーと地球科学

2024年5月26日(日) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:大竹 秀明(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター)、宇野 史睦(日本大学文理学部)、島田 照久(弘前大学大学院理工学研究科)、野原 大輔(電力中央研究所)

17:15 〜 18:45

[MZZ43-P03] 風洞実験を用いた風向・風速計の着雪・着氷条件の再現と評価

*宇野 史睦1、髙木 謙1、小長谷 瑞木2、水戸 俊成2、矢作 和臣3、市川 弘人3、岡山 芙有子3、本吉 弘岐4 (1.日本大学文理学部、2.レラテック株式会社、3.株式会社ユーラスエナジーホールディングス、4.(国)防災科学技術研究所)

キーワード:着氷、風速計、風洞実験

風力発電所の適地選定には、事前に観測マストによる風向・風速の観測が必要とされる。しかし、寒冷地において測器への着雪・着氷により欠測等が問題となっている。そのため、測器に対する着雪・着氷の要因解明と対策方法の検討が必要となる。そこで、風況マストの観測値を基に、凍結事例の条件を調査し、低温実験室に設置された風洞実験により、着雪・着氷条件を再現した。この実験により、どのように風速計・風向計が停止するかを評価した。

 風況マストにおける、風向計・風速駅の停止時の気温は0℃~-5℃の範囲であったが、風速は、弱風(0~2m/s)と強風(8m/s以上)の2つの条件に大きく分かれた。風洞実験は0℃付近の気温時に着氷が見られたが、-5℃では乾雪のためほとんど着雪は見られなかった。また、過冷却水を用いた実験では、カップに着氷が見られ、着氷が増えるにつれて、風速が低下する様子が見られた。加えて、カップと測器の下部に氷柱の形成が見られた(図1)。ヒーター付きの風速計でもカップ部には着氷が見られ、ヒーターの効果は限定的であった。

 本実験では、最大20分程度の短時間の着雪・着氷実験であったが、今後は2~3時間程度の長時間の着雪・着氷実験による風向計・風速計が完全に停止するまでの実験が必要となる。