14:05 〜 14:30
[MZZ45-06] 大気Å不均一科学の創成
★招待講演
キーワード:エアロゾル、雲、反応、大気化学、気候変動、質量分析法
地球上で最も普遍的な液体である水(H2O)は、海洋や雲を形成し、植物の光合成の材料となることで、地球の気候に大きな影響を与えている。自然界に存在する液体の水は、二つの意味で不均一である。まず、水が存在するところ、必ず水の界面(水と水が接する物質の境界)が存在する。例えば、空気と水の界面では、わずか数Å(10-10 m)の範囲で、水分子の密度が1 g cm-3から急激に0 g cm-3に減少する。その結果、空気/水界面に存在するH3O+, OH-の密度分布に不均一な偏りが生じ、界面特有の性質が現れる。また、純粋な水(100 % H2O)は自然界には存在せず、液体の水は必ず何らかの他成分を含んでいる。水の自己解離によって必ず生成するH3O+, OH-に加え、大気中から取り込まれる二酸化炭素由来のHCO3-、様々な電解質由来のイオン、有機物などを含む。このような他成分を含む水では、界面だけではなく、液体の内部においても分子レベルの不均一性が生じ、化学反応と物理過程に大きな影響を与えている。
本講演では、最新の室内実験によって明らかになってきた分子レベルの不均一性(Å不均一性と定義する)が、地球大気化学に与える影響とそのメカニズムを紹介する。さらに、Å不均一性を明らかにすることで開拓される新しい学問分野の可能性について議論する。
本講演では、最新の室内実験によって明らかになってきた分子レベルの不均一性(Å不均一性と定義する)が、地球大気化学に与える影響とそのメカニズムを紹介する。さらに、Å不均一性を明らかにすることで開拓される新しい学問分野の可能性について議論する。