15:35 〜 15:50
[O03-01] 地学での気象の学びを防災に活かす
★招待講演
キーワード:気象災害、台風、豪雨、線状降水帯、防災、気象予報
豪雨・豪雪・強風といった極端な現象による災害は、毎年のように日本のどこかで発生します。そういった気象災害による被害を軽減することは社会にとって重要な課題です。豪雨・豪雪・強風災害は、台風・梅雨前線・低気圧といった毎年同じように繰り返し起こる気象現象により発生します。日々の天気予報では、台風・梅雨前線・低気圧の天気図を目にしたり、それによる雨や風の予測情報を聞いたり、さらには災害が懸念される場合には警報など防災情報を聞いたりします。予測の精度も年々向上し、天気予報と防災情報の発表によって、防災に貢献しているはずです。一方で、顕著な気象災害による犠牲者の数はゼロではありません。気象防災の中で、何が足りないのでしょうか?気象現象はあまりに日常的ですが、その怖さが正しく伝わっていないことが一因でしょう。中学校や高等学校で学ぶ地学では、気象に関する勉強もして、基本的なことは知識としては伝えられていますが、その怖さがなかなか実感できていないのだと思います。本講演では、台風や積乱雲を例に取り、それがもたらす強風や豪雨の発生するプロセスを振り返り、身近な生活空間でどのような影響が表れるのかといったことを紹介します。そして、そういった身近に発生する強風や豪雨の危険性を理解し、行動に繋げるために必要な防災情報のあり方について皆さんと考えたいと思います。