日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-07] キッチン地球科学:多様な到達点を生む実験

2024年5月26日(日) 09:00 〜 10:15 国際会議室 (IC) (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:熊谷 一郎(明星大学理工学部)、鈴木 絢子(東洋大学)、下川 倫子(奈良女子大学)、栗田 敬(東京工業大学 地球生命研究所)、座長:熊谷 一郎(明星大学理工学部)、鈴木 絢子(東洋大学)、下川 倫子(奈良女子大学)、栗田 敬(東京工業大学 地球生命研究所)

09:45 〜 10:00

[O07-04] 光合成微生物が光場に応答して作り出す対流パターン

★招待講演

*末松 信彦1 (1.明治大学)

キーワード:対流パターン、微生物、走光性

流体に現れる時空間構造は大気の流れやマントル対流など、地球科学の様々な場面で見られます。しかし、地球規模に限られる現象ではなく、身近で簡単に観察することも可能です。例えば熱々の味噌汁を観察すると、対流パターンが形成されることは有名です。これは熱対流と呼ばれるパターンで、味噌汁の表面が冷やされることで密度不安定な状態が生み出されることが原因で起こることが知られています。今回、ミドリムシという光合成微生物の培養液で同様の対流パターンが形成されることを紹介します。これは生物対流と呼ばれる現象の一つで、ミドリムシの負の走光性に起因して起こります。ミドリムシの培養液にしたから強い光を空間均一に照射すると、対流が形成され、スポット状のパターン(下降流の位置にミドリムシの数密度が高くなり、スポット状に見えます)が形成されます。この生物対流の形成機構や様々な特徴について紹介します。