10:45 〜 11:00
[O07-05] 『宙わたる教室』とキッチン地球科学
★招待講演
キーワード:小説、キッチン地球科学
小説『宙わたる教室』は、東京にある定時制高校を舞台に、創設されたばかりの科学部の一年間にわたる活動を描いた物語である。登場人物の部員たちは、年齢もバックグラウンドもさまざまで、科学に対する知識も関心も不十分なところから活動をスタートさせる。顧問の理科教師である藤竹が、生徒たちが実際に手を動かして科学に触れる最初の題材として利用したのが、これまで「キッチン地球科学」として取り組まれてきた実験の数々であった(味噌汁を使った対流実験、ベッコウ飴による地震発生モデル実験、寿司酢と重曹を用いた火山爆発模擬実験など)。この小説は、大阪に実在する定時制高校科学部の活躍に感銘を受けて書いたものである。本講演では、その執筆の経緯とともに、作品内で「キッチン地球科学」を取り上げた意図や中高生を含む一般読者からの反響を紹介する。