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[PCG20-P09] PHITS によるGeV陽子散乱シミュレーションとRMS-pによるチェレンコフ光計測データの比較
キーワード:衛星搭載用チェレンコフ検出器、PHITSシミュレーション、GeV帯陽子、Al(p, px)反応
次期静止気象衛星「ひまわり10号」に搭載予定の陽子線計測装置RMS-p (Radiation Monitor for Space weather measuring Protons)のエネルギー校正のための試験を、日本原子力研究開発機構J-PARCセンターの加速器により生成された陽子線を用いて実施した。RMS-pは合成石英製のガラス内のチェレンコフ光の光量により入射陽子のエネルギーを測定する装置である。試験では、J-PARCの加速器で生成された400 MeVから3 GeVの単色の陽子をアルミ製シャッターにより散乱させ、ビームラインから空気中へ放出された成分をRMS-pで計測した。アルミのAl(p, xp)反応による陽子は、弾性散乱および準弾性散乱成分が混在し、それぞれの断面積はエネルギー及び散乱角等に依存する。計測装置のエネルギー校正を行うためには、散乱された陽子がセンサ部に到達した際のエネルギースペクトルを知る必要がある。アルミシャッターとセンサ部の間には、ビームラインのSUS製のダクト、低エネルギー粒子の混入を防ぐためのTa製の蓋、視野方向を特定するためのシリコン半導体等があり、これらによる減速効果も見積もる必要がある。本発表では、Al(p, xp)反応で生成される陽子や、それらがセンサ部に到達した際のスペクトルをPHITSシミュレーションにより計算した結果とそれらをチェレンコフ光の測定データと比較解析した結果を報告する。