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[PEM12-17] 2022年トンガ海底火山噴火により生成されたラム波通過時にSwarm衛星で観測された磁場強度と電子密度の波状変動
キーワード:トンガ海底火山噴火、Swarm衛星、磁場変動、電子密度変動、音波
2022 年のトンガ海底火山の噴火は、地球を数回周回する強いラム波を引き起こした。地磁気主磁場に対する磁場変動の平行成分、すなわち磁場強度の変動は、通常、昼側の中低緯度では非常に小さい。しかし、ラム波の通過時に昼間側電離圏F領域を飛翔するSwarm衛星によって、磁場強度の振幅が約1nT、電子密度の変動が数百個/cm3の明瞭な波動状変化が観測された。相関係数はそれほど高くないものの、磁場強度変化と電子密度変化とはおおむね正の相関を示す。Swarm 衛星軌道に沿って観測される見かけの変動の周期は10~20秒程度であるが、衛星軌道近くの地上磁場観測では対応する周期の明瞭な磁気脈動は見られない。これは、観測された波状変動は主に音波の空間構造、あるいは、電子密度勾配と磁場勾配が正相関している場合の電離圏F領域プラズマの鉛直運動による波状構造である可能性を示唆している。