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[PEM17-P04] 有限差分時間領域法(FDTD)シミュレーションの改良: 電流源を含む高次精度手法における数値誤差の改良

キーワード:FDTD、クーラン条件、位相速度、 分散関係
本研究では、FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法において、時間発展式に高次精度差分を用いた際に生じる数値誤差の抑制を行った。FDTD 法は、時間および空間ともに 2 次精度の差分で Maxwell 方程式を近似することで電磁界の時間発展を解く手法である(Yee 1966)。これをFDTD(2,2)と呼ぶ。FDTD(2,2)では、連続波形で数値振動が起こるといった問題があるため、より高次精度の差分を用いた手法が求められていた。4 次精度の空間差分を用いる FDTD(2,4) (Fang 1989; Petropoulos 1994)および更に空間差分精度が高い FDTD(2,6)では、Courant 条件が FDTD(2,2)よりも厳しくなるほか、電流源を含む時間発展式において電流密度における数値誤差が生じるという問題をかかえている。本研究では、FDTD(2,6)に対し、Laplacian 演算子を含む高階微分項を付加することにより(Sekido+ 2024)、Courant 数の緩和および数値振動の抑制を行った。また、電流密度が生じる数値誤差に対して補正項を追加することで、数値誤差の除去に成功した。