[P-PS07] 惑星科学

[PPS07-P11] 熱変成CMコンドライトNWA11024のU-Pb年代測定法によるC型小惑星破砕イベントの考察

*上原 佑斗¹、寺田 健太郎¹、福田 航平¹、高畑 直人²、佐野 有司³、Ludwig Mathis¹ (1.大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻、2.東京大学大気海洋研究所、3.高知大学海洋コア総合研究センター)

キーワード：炭素質コンドライト、熱変成、U-Pb年代測定法

小惑星族Polana/Eulariaの存在や、小惑星Ryugu、Bennuのラブルパイル構造は、直径100kmサイズ以上のC型小惑星の母天体が壊滅的な天体衝突によって小片に破砕された証拠である。しかしS型小惑星に由来する普通コンドライトの熱変成年代がAr-Ar年代測定法などで精査されているのに対し、C型小惑星由来の炭素質コンドライトの衝突年代は先行研究が少なく、誤差も大きく、その衝突年代史はよくわかってはいない(Amsellem et al. 2020)。
そこで本研究では、最高温度400-600℃の熱変成の痕跡のあるCMコンドライトNWA11024(Ebert et al. 2019)のU-Pbのシステマティックスを質量分析装置NanoSIMSを用いて調べた。半減期の異なる２つの放射壊変系(²³⁸U-²⁰⁶Pb系、 ²³⁵U-²⁰⁷Pb系)を精査することで、結晶化年代および２次的な熱変成年代の情報を得た。当日は、同隕石のU-Pbシステマティックスを報告するとともに、熱変成の原因について考察を行う。
<参考文献>
Amsellem E. et al. (2020) Icarus 339, 113593.
Ebert S. et al. (2019) Meteoritics & Planetary Science 54, 328-356.