15:00 〜 15:15
[PPS09-16] 月面上の火砕堆積物領域におけるチタン鉄鉱及びガラスに富む物質の層序関係
キーワード:月、チタン鉄鉱、月資源探査、リモートセンシング
酸化チタン鉱物であるイルメナイトは、将来の月面有人基地建設における月資源候補物質や酸素源として期待されているため、月資源探査戦略の観点からも月表面におけるイルメナイトに富む場所の全球分布情報は重要である。我々はハイパースペクトルデータを用いて、イルメナイトの持つ1µmおよび2µmの反射スペクトル特性に着目したスペクトル同定研究を行い、イルメナイトに富む場所が月の火砕堆積物で覆われたDark Mantle Deposit (DMD)に集中していることを明らかにした。一方、DMDから回収されたアポロ資料にはガラス質物質が多く含まれることが知られている。そのためDMDにおけるイルメナイトに富む物質とガラスに富む物質の層序関係などを調べることは、イルメナイトに富む物質の状態やその起源を知ること、また将来の資源利用に対する予備調査戦略において重要である。そこでDMD中のイルメナイトに富む物質とガラスに富む物質のスペクトルおよび層序的特徴について、かぐや/SELENE搭載のハイパースペクトルセンサ(スペクトルプロファイラ)、マルチバンドイメージャ、地形カメラ等のデータを用いて調査を行った。本研究では、それらの結果について報告する。
