17:15 〜 18:45
[SCG42-P05] ICDP DSeis計画:M5.5地震発生場回収コアのITRAX XRFスキャン元素分析
キーワード:地震発生場、国際陸上科学掘削プログラム、変質した mafic/ultramafic 貫入岩
2014年にM5.5左横ずれ型地震が南アフリカモアプコツォン金鉱山の下で発生した。この地震の余震は、北北西-南南東走向でほぼ鉛直傾斜の面上で発生していた。2017-2018年に、地下2.9kmから、3本のフルコア掘削が行われた。この地震の余震発生帯上縁部とその周囲から、総延長約1.6kmコアが回収され、多くの場所で孔内検層も行われた(Ogasawara et al. 2019; Nkosi et al. 2022)。
1996年の3次元地震波探査データの3次元速度構造がよく較正され、反射面やそれらをdisruptする筋と、余震活動の筋や、地下2~3kmの坑道でマップされた地質、DSeisコアや孔内検層とがよく対応する様になっていた(Suzuki et al. 2022 JpGU)。
2019年度に、核心部のコア(百数十m分)を高知大学海洋コア国際研究所に輸入し、共同利用機器による分析が始まった(e.g., Miyamoto et al. 2022)。
主要11元素XRFスキャン、μフォーカスX線CTスキャン、EPMA、SEM-EDS分析などが行われ、母岩層である太古代の変成堆積岩層(珪長質・砂質/泥質)や火成貫入体の物理・化学・鉱物組成やその空間分布が明らかになり始めた。そして、大深度で上部マントル物質が部分融解したことを示唆するメルト(SiO2~46wt%;Na2O+K2O~7%;CaO~10wt%;Ti~2wt%)が、ダイクとして貫入し、変成変質した縦板状の薄い岩体が、余震の分布面と一致した。このダイクと母岩との境界面では、母岩の化学・鉱物境界面(層理やmaficシル内の重力分化境界)と直線で交差し、余震活動の筋と平行になっている可能性が示唆され始めた。
2023年10月に同研究所のITRAX XRFコアスキャナーによって、1mm x 8mm幅のスリット領域にX線を照射してコア軸沿いにスキャンし、Siより重い主要元素から微量元素までの空間分布が得られた。本ポスターでは、このスキャンの結果に、上記に対応する何が見えたかについて報告する。
JpGU2024では、藤田・他が、掘削孔周辺の余震震源再決定を報告する。また、矢部・他は、M5.5本震の強震動発生地点を掘削調査するPROTEA計画(PRObing The Heart of earthquakes)のpre-proposalをICDPに提出したことなどを報告している。PROTEA計画のキックオフ会議が1月22-24日に南アフリカで開催され成功した。JpGU後にも国内で関連会議を計画中である。本報告と合わせてご覧頂きたい。
DSeis teamは、日本、南アフリカ、アメリカ、スイス、ドイツ、インド、オーストラリアの地震学・地質学・地球微生物学・岩盤力学・鉱山工学の研究者や実務家達から構成されている。ICDP DSeis計画は、JST-JICA SATREPS計画や科研費(21224012など)の成果が認められて実現したものであり、ICDP、JSPS、災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)、アメリカNSF、南アフリカNRF、ドイツDFG、立命館大学、高知大学海洋コア国際研究所、京都大学などの支援を受けている。
1996年の3次元地震波探査データの3次元速度構造がよく較正され、反射面やそれらをdisruptする筋と、余震活動の筋や、地下2~3kmの坑道でマップされた地質、DSeisコアや孔内検層とがよく対応する様になっていた(Suzuki et al. 2022 JpGU)。
2019年度に、核心部のコア(百数十m分)を高知大学海洋コア国際研究所に輸入し、共同利用機器による分析が始まった(e.g., Miyamoto et al. 2022)。
主要11元素XRFスキャン、μフォーカスX線CTスキャン、EPMA、SEM-EDS分析などが行われ、母岩層である太古代の変成堆積岩層(珪長質・砂質/泥質)や火成貫入体の物理・化学・鉱物組成やその空間分布が明らかになり始めた。そして、大深度で上部マントル物質が部分融解したことを示唆するメルト(SiO2~46wt%;Na2O+K2O~7%;CaO~10wt%;Ti~2wt%)が、ダイクとして貫入し、変成変質した縦板状の薄い岩体が、余震の分布面と一致した。このダイクと母岩との境界面では、母岩の化学・鉱物境界面(層理やmaficシル内の重力分化境界)と直線で交差し、余震活動の筋と平行になっている可能性が示唆され始めた。
2023年10月に同研究所のITRAX XRFコアスキャナーによって、1mm x 8mm幅のスリット領域にX線を照射してコア軸沿いにスキャンし、Siより重い主要元素から微量元素までの空間分布が得られた。本ポスターでは、このスキャンの結果に、上記に対応する何が見えたかについて報告する。
JpGU2024では、藤田・他が、掘削孔周辺の余震震源再決定を報告する。また、矢部・他は、M5.5本震の強震動発生地点を掘削調査するPROTEA計画(PRObing The Heart of earthquakes)のpre-proposalをICDPに提出したことなどを報告している。PROTEA計画のキックオフ会議が1月22-24日に南アフリカで開催され成功した。JpGU後にも国内で関連会議を計画中である。本報告と合わせてご覧頂きたい。
DSeis teamは、日本、南アフリカ、アメリカ、スイス、ドイツ、インド、オーストラリアの地震学・地質学・地球微生物学・岩盤力学・鉱山工学の研究者や実務家達から構成されている。ICDP DSeis計画は、JST-JICA SATREPS計画や科研費(21224012など)の成果が認められて実現したものであり、ICDP、JSPS、災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)、アメリカNSF、南アフリカNRF、ドイツDFG、立命館大学、高知大学海洋コア国際研究所、京都大学などの支援を受けている。