17:15 〜 18:45
[SCG44-P06] オリビン粒界拡散クリープの温度依存性を求めるための温度連続変化クリープ実験

キーワード:マントル、レオロジー、オリビン
地球内部において、高粘性のリソスフェアから低粘性のアセノスフェアへと変化するのは高温になることが大きな理由としてある。よって、この理解のためにマントルの粘性率の温度依存性を知るべく、1℃ごとの高精度な粘性率を求めると共に粘性率の温度依存性の指標となる活性化エネルギーを求めるための実験を行った。
本実験では上部マントルを模した物質として、フォルステライト95vol%とダイオプサイト5vol%である多結晶体試料を用いた。変形試験機を用いて、試料に対して一定荷重で押し、その間徐々に1300℃から1200℃まで温度を下げた後再び1300℃まで上げた。1300℃~1250℃の間は9min/1℃、1250℃~1200℃の間は33min/1℃で変化させ、1300℃~1226℃までは20MPa相当の461N、それ以降1300℃に戻すまでは40MPa相当の1062Nの荷重を加えた。この間の温度変化とストローク変位量を測定し、温度が1℃変わる範囲で時間と歪の関係を線形フィッティングし、その歪変化率を1℃ごとの試料の歪速度とみなした。また、荷重および試験中の試料の変形を考慮に入れて試料にかかる応力を求め、その応力と歪速度から粘性率を計算した。得られた粘性率の逆数をアレニウスプロットし、その線形フィッティングした傾きから活性化エネルギー602kJ/molを得た。
この活性化エネルギーをすでに報じられている値と比較すると、これまでオリビンの拡散クリープの活性化エネルギーは350kJ/mol程度と考えられてきたが、それに比較して非常に大きな値を得た。これは最近のオリビン粒界拡散クリープにおいて高温下で高い活性化エネルギーを持つ拡散メカニズムに転移する研究結果と調和的である[Yabe&Hiraga 2020 JGR]。
本実験では上部マントルを模した物質として、フォルステライト95vol%とダイオプサイト5vol%である多結晶体試料を用いた。変形試験機を用いて、試料に対して一定荷重で押し、その間徐々に1300℃から1200℃まで温度を下げた後再び1300℃まで上げた。1300℃~1250℃の間は9min/1℃、1250℃~1200℃の間は33min/1℃で変化させ、1300℃~1226℃までは20MPa相当の461N、それ以降1300℃に戻すまでは40MPa相当の1062Nの荷重を加えた。この間の温度変化とストローク変位量を測定し、温度が1℃変わる範囲で時間と歪の関係を線形フィッティングし、その歪変化率を1℃ごとの試料の歪速度とみなした。また、荷重および試験中の試料の変形を考慮に入れて試料にかかる応力を求め、その応力と歪速度から粘性率を計算した。得られた粘性率の逆数をアレニウスプロットし、その線形フィッティングした傾きから活性化エネルギー602kJ/molを得た。
この活性化エネルギーをすでに報じられている値と比較すると、これまでオリビンの拡散クリープの活性化エネルギーは350kJ/mol程度と考えられてきたが、それに比較して非常に大きな値を得た。これは最近のオリビン粒界拡散クリープにおいて高温下で高い活性化エネルギーを持つ拡散メカニズムに転移する研究結果と調和的である[Yabe&Hiraga 2020 JGR]。