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[SCG44-P13] 破壊現象の時間応答性-物質均一性-情報性
キーワード:破壊、地震、べき乗則
破壊現象には、その時間応答性、物質均一性、情報性と関連した様々なべき乗則が存在する。破壊進展が伴う粘弾性挙動(シーカント弾性率の時間べき乗則)は、スケーリング則が課せられた入出力関係と等価であり、時間応答のフラクタル性(時間と緩和時間のべき乗則)が伴う。また、破壊強度の確率分布であるワイブル分布の形状パラメータは、物質の均一性を示し、媒質の不均質性を反映するグーテンベルク・リヒター則のb値とも関係性がある。さらに、これらの入出力関係の緩和時間分布とグーテンベルク・リヒター則は、実数qによって確率パラメータの情報量密度が変化する、確率分布(q指数分布族)から捉え直されている。しかし、これまで破壊現象に関する時間応答性-物質均一性-情報性のつながりが不明であった。本発表では、先行研究で報告されているべき乗則の指数に関する理論的な関係式を基に、時間応答性-物質均一性-情報性に関する指数の関係式を構築し、それらの関係性について議論を行う。求めた関係式に基づくと、物質の均一性を示すワイブル分布の形状パラメータは、時間応答性を示す指数に対して右肩下がりとなる。これは、入出力関係のスケーリング則が、物質中の階層的な組成を反映していることを示唆している。一方で、時間応答性を示す指数や物質の均一性を示すワイブル分布の形状パラメータは、確率パラメータの情報量密度を決める実数(q)に対して、それぞれ右肩下がりと右肩上がりとなる。これは、確率パラメータの情報量密度は、物質の均一性(非階層性)に応じた、緩和時間分布における確率パラメータによる効果の顕在性を反映していることを示唆している。求めた関係式を介して、時間応答性を示す指数や物質の均一性を示すワイブル分布の形状パラメータ、確率パラメータの情報量密度を決める実数(q)が取りうる値の範囲は概ね調和的であるが、物質化学的背景や補正の必要性について議論が必要であると考えている。
さらに、先行研究で報告されているグーテンベルク・リヒター則のb値と確率パラメータの情報量密度を決める実数(q)についても、本研究と組み合わせ議論を行う。
さらに、先行研究で報告されているグーテンベルク・リヒター則のb値と確率パラメータの情報量密度を決める実数(q)についても、本研究と組み合わせ議論を行う。