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[SCG47-P01] 香川県における新たな地下水等総合観測施設(綾川千疋観測点)の紹介
キーワード:ひずみ計、地下水、地震計、南海トラフ、深部ゆっくりすべり
産総研は、南海トラフ沿いで発生する地震の予測精度向上を目的として、20観測点で構成される南海トラフ地震モニタリングのための地下水等総合観測ネットワークの構築を計画している。2006年から2021年度までに地下水・ひずみ・地震等を観測する地下水等総合観測施設を17カ所整備した。2022年度には、香川県綾歌郡綾川町に18番目の観測点として、綾川千疋観測点を整備した。綾川千疋観測点は、四国東部の深部低周波微動および深部ゆっくりすべり(深部SSE)の発生領域のほぼ東端に位置しているので、深部SSEの発生域をより高精度に把握するために重要な観測点となると期待している。同観測点では深さ334 m、200 m、30 mの3本の観測井戸を掘削し、井戸内に各種の観測機器を適切に設置する深度を決定することを主な目的として、9種目の物理検層を実施した。2023年2月に深さ200 mの観測井戸の孔底付近に地震・傾斜観測装置を設置し、同年3月に深さ334 mの井戸の孔底付近にデジタル式地殻活動総合観測装置(石井式ひずみ計・加速度計を内蔵)を埋設し、3つの井戸に水位計などを設置した。同年3月に観測施設が完成し、観測を開始した。観測施設の概要と2023年4月以降の約1年間の観測結果を紹介する。